小諸市の「中棚荘」は心地よい宿だ。自家源泉の湯、木立を眺める和室、体に優しい料理とオリジナルワイン! そう、中棚荘はワイナリーを所有する温泉宿なのだ。
「ジオヒルズ・ワイナリー」は小諸市内の御牧ケ原にあり、近くに浅間山を、遠くに北アルプスや富士山も見渡すことができる。眺望絶景、涼風が吹くこの大地で中棚荘の主人・富岡正樹さんがワインづくりに着手したのは2002年。最初は委託醸造だけだったが、18年秋から自家醸造も開始した。三男の隼人さんが現在の醸造責任者だ。
御牧ケ原の土壌は強粘土質で、ブドウはゆっくり時間をかけて育ち、年数が経(た)つほど力強いブドウの木になっていくという。
現在の栽培品種はシャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、メルロー、ピノ・ノワール。ベトナム語で「ありがとう」の意味の「カム・オン」。シャルドネは酸味があり、生魚にもぴったり。メルローはほのかな香りがスーッと鼻腔(びこう)を通り抜ける。どちらも和食に合うのは、さすが温泉宿のワインである。私が良く知るおかみの洋子さんは、バイクでツーリングにも出かける行動派。ワイン談議も楽しいので、ぜひお出かけください。
Data
社名:中棚荘(なかだなそう)
所在地:長野県小諸市古城乙1210
電話:0267-22-1511
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