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ポイント解説付き 下請法活用事例 vol.1 【適用範囲】役務提供委託

わが国経済の好循環を実現するためには、「下請等中小企業」の取引条件を改善することが重要です。本コーナーでは、全国に設置され、電話やメール、ウェブサイトにより無料で相談できる「下請かけこみ寺」(本部:公益財団法人全国中小企業振興機関協会)に寄せられた「親事業者の4つの義務と11の禁止行為」に関する問い合わせの中から、参考になる事例をQ&A形式で解説します。

Q.食品加工・製造業であるA社(資本金:3億円)は定期的に自社工場の清掃を行っていますが、B社(資本金:1000万円)に清掃と防菌、防虫・防鼠(ぼうそ)などの処理を依頼する場合、下請法上、どのように考えればよいでしょうか。

A.下請法上の役務提供委託は、事業者が他者に対し業として役務を提供する場合、その役務の全部または一部を委託することをいいます。例えば、他者から運送、ビルメンテナンス、情報処理などの各種サ-ビスの提供を請け負った事業者が、それらのサービスの提供を他の事業者に委託する場合です。

下請法第2条第4項の役務提供委託とは、「(業として行う)提供の目的たる役務」であり、事業者が他者に提供する役務のことをいいます。従って、事業者が自ら用いる役務は含まれません(自ら用いる役務について他の事業者に委託することは、下請法上の役務提供委託には該当しません)。他の事業者に役務の提供を委託する場合に、その役務が他者に提供する役務の全部または一部であるか、または自ら用いる役務であるかなどは、取引当事者間の契約や取引慣行に基づき判断されます。

相談内容は、A社が自社工場の清掃などを依頼するという自ら用いる役務の委託であり、下請法上の役務提供委託には該当しないと考えられます。

ポイント

下請法第2条第4項(役務提供委託)を確認し、判断してください。なお、役務とは、運送、ビルメンテナンス、情報処理などいわゆるサービス全般です。提供委託とは、そのサービスの提供を請け負った事業者が、サービスの提供を他の事業者に委託することをいいます。