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ポイント解説付き 下請法活用事例 vol.2 書面の交付

わが国経済の好循環を実現するためには、「下請等中小企業」の取引条件を改善することが重要です。本コーナーでは、全国に設置され、電話やメール、ウェブサイトにより無料で相談できる「下請かけこみ寺」(本部:公益財団法人全国中小企業振興機関協会)に寄せられた「親事業者の4つの義務と11の禁止行為」に関する問い合わせの中から、参考になる事例をQ&A形式で解説します。

Q.A社(資本金:9500万円)はB社(資本金:800万円)に精密機器の特殊部品を発注するに際して、B社との間で代金の額が決まらず、納期が迫っていることから、やむを得ず額は記載せずに発注しました。なお、額は決定次第通知することとしましたが、下請法上、問題となりますか。下請代金を未記載で発注することについては、下請事業者の同意を得ています。

A.親事業者が下請取引において発注したときは、下請事業者に対して、下請法第3条に規定する具体的な必要事項を記載した書面を直ちに交付する必要があります。

ただし、必要記載事項であってもその内容について「記載できない正当な理由がある事項」(特定事項)については、発注書面(当初書面)に当該事項を記載せずに発注することができます。その場合は、当初書面には「記載できない理由」および「内容を定めることとなる予定期日」を記載し、当該特定事項が確定したら直ちにその内容を記載した書面(補充書面)を下請事業者に交付する必要があります。

相談内容ですが、下請代金はA社とB社の問題であり、このような事情では客観的に認められる正当な理由があるとはいえないでしょう(B社が同意していても同じです)。A社はB社と十分に協議し、下請代金の額を決定して発注書面の交付を行うことになります。

ポイント

「例外的な書面の交付方法」とは、発注書面の具体的な必要記載事項のうち、その内容が定められないことについて正当な理由(例えば、修理委託において、故障箇所とその程度が委託した時点では明らかでないため、「下請事業者の給付の内容」「下請代金の額」が定まっていない場合など)がある場合は、当該事項を記載せずに下請事業者に書面を交付することが認められます。

ただし、記載しなかった事項の内容が定められた後、直ちに当該事項を記載した書面を交付する義務があります。なお、発注書面に記載すべき事項を双方で確認した上で書面の交付を行うことが肝要です。また、協議内容を書面化しておくことも大切です。

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