日本商工会議所は8日、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部と地方創生テレワーク推進に関する包括連携協定を締結した。協定は、新型コロナウイルス感染症拡大を契機に普及したテレワークの動きを地方創生の後押しにつなげる「地方創生テレワーク(転職なき移住)」を国民的な運動として進めるために、日商などの経済団体や人材会社などを推進パートナーと位置付け、今後、連携を強めていく内容。テレワークを活用した地方移住を推進し、東京一極集中の是正を目指す。
東京都内で開催した連携協定締結式には、日商の荒木毅・地域活性化委員会副委員長(富良野・会頭)が出席。経団連、経済同友会など主要経済団体、人材会社首脳らが出席し、同様の協定を締結している。
協定書を手交した坂本哲志地方創生担当相は、「地方創生テレワークの取り組みを一丸となって推進したい」とあいさつ。日商の荒木副委員長は、「地方の活性化には、人材の呼び込み・活用が必要であり、地方創生テレワークの推進が、大都市圏から地方への人の流れの後押しになることを期待している」と述べ、「地方創生テレワークにより、企業・その働き手、そして地域の活性化、これらが『三方良し』になるよう、日本商工会議所としても一層の活動強化をしていく」との考えを表明した。
協定では、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局と日商などの地方創生テレワーク推進パートナーは、包括的な連携の下、地方創生テレワーク関連の取り組みを推進していくことに合意。取り組む企業を「見える化」する自己宣言制度や、優れた事例の横展開を促進する表彰制度などによる、都市部の企業における地方創生テレワーク関連の取り組みを促進していくことを盛り込んだ。
そのほか、地方自治体と企業による連携事業の実施、地方創生テレワークによる移住者の兼業・副業など、地域企業との連携・交流促進による地域の活性化に向けた取り組みの促進に加え、保有施設のサテライトオフィスとしての有効活用やIT技術の活用支援など、各企業の強みや特色を生かした取り組みも進める。
採用サイトや就職説明会での紹介なども積極的に実施。地方創生テレワークに取り組む企業に対する、人材確保面での各種支援策も充実させる。
まち・ひと・しごと創生本部は、協定締結に合わせて、専用サイトを開設し、自治体、企業、働き手向けに、それぞれの取り組みのポイントなどを示すとともに、支援策の紹介やイベント情報などを一元的に発信。関心のある自治体や企業向けの相談事業も開始した。
地方創生テレワークに積極的に取り組む企業に宣言してもらう「自己宣言制度」、優れた事例の横展開を推進するための表彰制度についても創設に向けて準備が進んでいる。
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