伝えていきたい日本の技 籠染灯籠

中野形染工場(なかのけいせんこうじょう)+ハナブサデザイン (埼玉県越谷市/越谷商工会議所)

伝統の和柄の美しさと籠染めに使われた型づくりの“技”を未来につないでいきたいという思いで生まれた「籠染灯籠」(撮影:加藤正博)

今月は、越谷市に伝わる藍染め技法の一つである籠染めの「型」を用いた灯籠をご紹介します。

籠染めとは、筒状にした2本の真鍮(しんちゅう)製の型の間に生地を通し、表と裏に異なる柄を同時に糊(のり)付けして染める、越谷市の中野形染工場がつないできた珍しい技術です。縞(しま)模様や江戸小紋のような繊細な柄を得意とし、粋な浴衣地として流行しましたが、現在では途絶えてしまいました。

日本唯一の技術を未来に伝え、越谷のまちおこしにもつなげられたらと、ハナブサデザインは最後まで技術を承継してきた中野形染工場の協力の下、実際に使われていた型をそのまま使用した内照式オブジェを生み出しました。いつか籠染めが復活したときには、この灯籠も型として使えるように設計されています。

伝統を今に伝える灯(あか)りは、越谷ならではの地域資源として静かな広がりを見せています。

お問い合わせ

ハナブサデザイン

MAIL:info@hanabusadesign.jp

HP:https://www.hanabusadesign.com/

ホテル雅叙園東京が主催する「和のあかり×百段階段2021 ニッポンのあかり 未来のひかり」にて、9月26日まで籠染灯籠を展示中です。詳しくはホテル雅叙園東京のHPをご覧ください。

https://www.hotelgajoen-tokyo.com/100event/wanoakari2021

※月刊石垣2021年9月号に掲載された記事です。

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