福江商工会議所(長崎県)は9月27日、事業に必要な電力を100%五島市産の再生可能エネルギー(再エネ)で賄う脱炭素化の取り組み「五島版RE100」に16事業者・団体が参加し、5年以内にCO2排出量ゼロを達成する宣言を行ったと発表した。この日は、参加企業などから約30人が出席し、市内の会場で、商工会議所内に設けられた「五島版RE100認定委員会」が承認した認定証の授与式が行われた。
RE100とは「Renewable Energy 100%」の略称で、使用電力を100%再エネで賄うことを目指す国際イニシアチブ。東京都など自治体が地域版RE100を導入している例はあるが、民間で取り組む事例は珍しいという。五島市は、海に囲まれた環境を生かして風力発電・潮流発電などの再エネの導入・研究を進めており、それに合わせて同所は2020年、地元企業や商工会などと「五島市再生可能エネルギー産業育成研究会」(会長:清瀧会頭)を立ち上げ、五島版RE100を創設、地元企業へ参加を呼び掛けてきた。
五島版RE100は、参加企業が、研究会の有志らにより設立された五島市民電力から太陽光や風力発電による電気の供給を受け、使用電力に対してJ-クレジット(再エネ活用などによるCO2等の排出削減量をクレジットとして国が認証する制度)を割り当てることでCO2排出量をゼロとするもの。その特徴は、中小・小規模事業者が独自で実施するのが難しいCO2排出量の計算や、同所内に設置された認定委員会へ提出するCO2排出ゼロに向けた長期行動計画の作成などを同所が伴走型でサポートする点だ。これにより、事業者がCO2排出量削減に取り組むハードルを下げるという。
参加する16事業者・団体には、五島市本庁舎や各支所庁舎、各公共施設も入っており、20年度1年間の電力消費実績はおよそ3GWh(ギガワット時)、CO2排出量は937トンだった。今後は5年以内に再エネ100%、CO2排出量ゼロを目指すとともに、参加事業者・団体を増やす取り組みを進めていく。
認定証の授与式で、清瀧会頭は「脱炭素の先駆者として取り組みを進め、島外での取引でアピールしてほしい」とあいさつした。
詳細は、https://www.fukue-cci.org/pdf/20210927_pressrelease_gotore100_ja.pdfを参照。
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