日本・東京商工会議所、日本経済団体連合会、経済同友会の経済3団体は5日、新年祝賀会を都内で開催した。コロナ禍で2年ぶりとなった祝賀会には岸田文雄首相が出席。感染症対策に十分配慮した会場には、3団体会員ら240人が参加した。3団体トップは祝賀会後には共同記者会見を開催。日商の三村会頭は、今年の日本経済について、「政府見通しの実質経済成長率3・2%増(前年度比)は高過ぎるものではない」と述べ、他国に比べて高い成長率となることへの期待を表明した。
祝賀会であいさつした岸田首相は、新しい資本主義の実現に向け、「人への投資」「デジタル社会への変革」「炭素中立型社会への変革」「中間層への分配」の重要性を強調。「デフレによる縮小循環から、成長と分配の好循環へと社会全体の雰囲気を明確に変えていくためには、官民で局面転換していかなければならない」と述べ、経済界に対しては、賃上げへの協力を要請した。
祝賀会後に開いた共同記者会見で日商の三村会頭は、日本経済の見通しについて、「外需の伸び率はそれほど高くないとみている。焦点は内需、とりわけ個人消費の動向になるだろう」と指摘。「高いレベルで感染拡大防止と経済活動の両立が図られれば、政府見通しの実質経済成長率(対前年度比)3・2%増は高過ぎるものではない」との考えを示した。
カーボンニュートラルに向けた課題については、「日本において自然エネルギーのコストは非常に高いということを事実として認識しなければならない」と述べ、政府の野心的な目標達成のためのコスト負担を明示することの必要性を指摘。電気料金や日本の産業の国際競争力、原子力発電の位置付けの明確化と活用、日本が得意とする省エネ技術やリサイクル技術、水素を活用する技術などの開発を含めてトータルで検討すべきとの考えを示した。
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