三重県松阪市
航海に正確な地図と羅針盤が必要なように、地域づくりに客観的なデータは欠かせない。今回は、伊勢街道の宿場町として栄え、江戸時代には大阪商人、近江商人と並ぶ日本の三大商人である伊勢商人を輩出した商都で、世界的なブランド「松阪牛」を誇る松阪市について、データを読み解きながら、まちの羅針盤(地域づくりの方向性)を検討したい。
整っている環境・基盤
松阪市は、和歌山街道と伊勢街道が合流する交通の要衝として繁栄、現在でも、国道23号・42号・166号が交差するほか、JR紀勢本線や近鉄大阪線・山田線が通る、三重県南部の中心都市である。同市のGRP(5126億円、2015年)の構成比を見ても、生活の基盤となる「保健衛生・社会事業」(医療や介護など)が9%、「小売業」や「運輸・郵便業」など商業の基盤となる産業がそれぞれ約8%と上位を占め、商都・中心都市としての環境が整備されていることが分かる。
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