埼玉県川口市
航海に正確な地図と羅針盤が必要なように、地域づくりに客観的なデータは欠かせない。今回は、江戸時代から鋳物や植木などの産業が発展、近年は住宅都市化が進む川口市について、データを読み解きながら、まちの羅針盤(地域づくりの方向性)を検討したい。
東京と共に発展
川口市の鋳物産業は、大消費地となった江戸に日用品や農具を供給することで発展、明治時代の富国強兵策や戦後の高度成長もあり、同市は「鋳物の街」として全国的に名を知られるようになった。1970年代のオイルショック以降は、鋳物工場の移転や廃業が相次いだが、土地利用の転換を図り東京のベッドタウンとして成長、現在、15歳以上の就業者28万6千人の3分の1に当たる9万6千人が都内に通勤している(2015年国勢調査)。また、急激な人口流入に対応するため、域外資本を活用して、住環境の整備を進めてきた。
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