農林水産省は2月4日、「2021年の農林水産物・食品の輸出実績」を公表した。21年(1~12月)の農林水産物・食品の輸出額は1兆2385億円。20年比で25・6%(2525億円)増加し、政府の年間輸出額目標の1兆円を初めて突破した。品目別では、ホタテ貝、牛肉、ウイスキーなどが前年比で大きく増加。世界的に新型コロナウイルス感染症のまん延が続く中、EC販売などが堅調だったことや、中国、米国などの景気回復に加え、政府の輸出拡大の取り組みも後押しした。
品目別の実績を見ると、輸出額の増加が大きい主な品目は、ホタテ貝(639億円、前年比103・7%増)、牛肉(537億円、同85・9%増)、ウイスキー(462億円、同70・2%増)など。中国、米国などの外食需要の回復やEC販売の好調が要因とみられる。特にウイスキーは、世界的な知名度の向上により中国向けなどの単価が上昇、欧米向けの家庭内需要の増加も輸出の拡大に貢献した。
輸出額の増加が大きい主な国・地域は、中国(2224億円、前年比35・2%増)、米国(1683億円、同41・2%増)、台湾(1245億円、同27・0%増)など。また、輸出先1位は中国、2位が香港、3位が米国だった。
この日の会見で、金子原二郎農林水産大臣は「(21年の輸出実績は)輸出関係の皆さまの努力と輸出促進施策の成果」とし、今後については「25年に2兆円、30年に5兆円の目標を達成するためには、輸出先国の規制やニーズに合った産品を供給するマーケットインの輸出体制の整備が重要。22年は、昨年12月に改訂した輸出拡大実行戦略に沿ってジャパンブランドの確立や産地間連携を推進する品目団体の認定、輸出促進法などの改正を目指す」との考えを示した。
詳細は、https://www.maff.go.jp/j/press/yusyutu_kokusai/kikaku/220204.htmlを参照。
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