2021年度の日本YEG活動の振り返りとして、吉川正明会長と西村昭宏次年度会長予定者の二人に、今年度の成果やこれからの課題、ウィズコロナ・アフターコロナ時代におけるYEG活動や、まちづくりの必要性などについて尋ねました。
今年度の日本YEGは、全国の単会、メンバーを対象とした成長への貢献をテーマに活動してきました。手応えをお聞かせください。
吉川 日本YEGが掲げる中期ビジョン「全ては単会の未来のために」を念頭に置いて活動してきました。その中でも、5月に開催したオンラインセミナーは印象深く、日本YEGが外部企業と事業連携をするという初めての試みに対して、1900人と多くのメンバーに登録いただきました。これはオンラインで参加しやすかったことと、「永続的に成長し続ける企業とは何か?」という研修のテーマに皆が注目してくれた成果だと感じています。
西村 もちろん以前から「単会のため」の活動を行ってきましたが、2018年度に中期ビジョンを策定するに当たって、全国の単会会長とのディスカッションを行い、そこで具体化されてきたことを集約しました。その結果、単会の未来のための中期ビジョンができ、まだ改善する部分もありますが、そうして課題が出てくることも次の成長につながるのだと思います。
吉川 課題としては、全国のメンバーへの情報の伝え方。日本YEGの活動が伝わるように、公式ラインアカウントを使い、情報を発信するなど、今後もさまざまな手法を実行してほしいです。また、組織を活性化するための単会訪問は、生の声を聞ける場となり成果を感じられる事業でした。次年度も継続しますよね。
西村 はい、直接現地へ行きつつ、コロナ禍でもオンラインで開催できるので、活動の幅はより広がっています。単会訪問活動は、メンバーの声から改めて現状を再認識できるすごくよい機会だと思っています。
次年度、日本YEGでは新たな中期ビジョンを策定します。ビジョンの大切さについてお聞かせください。
吉川 毎年会長が変わる青年部活動は一貫性を保つことが難しいのですが、中長期的なビジョンがあれば、代をつなぎ結び付けることができます。まだ中期ビジョンを掲げていない単会であっても、活動の不変たるものが必ずあるはずで、そこを掘り下げ明文化していくことが大切だと思います。
西村 中期的なビジョンを持つことは、数年を区切りとして考える良い機会になります。昨今は単会の活動の幅が広がっており、課題を単年度で解決することは難しくなっています。例えば政策提言は単年度で終わりにせず、継続していくことが必要だと思います。つまり、単会が成長し大きくなるからこそ、中期ビジョンが求められてきます。
これからのYEG活動の在り方(価値観の変化)についてどうお考えですか。
西村 これまで地域の活性化、例えばお祭りを中心にYEGの活動をしてきた単会もあると思いますが、この2年間、活動がほぼ延期や中止となる中で、YEG活動の在り方とは、と考えさせられたはずです。今後のYEG活動は、地域の未来をつくる政策提言のように、一歩先の未来に向けた新しい活動、それを明確化し価値観をつくる必要があると思います。
吉川 確かに、今まで行われていた交流ができなくなったことで、立ち止まり考えるきっかけになりました。困難な中で活動に変化が生まれ、お互いメンバー間で助け合い支えていける事業を行うことは、地元企業の活性化にもつながると思います。
西村 改めてYEGに入会するメリットとして、本懐はビジネスなのだと思います。YEG会員のビジネスをいかに発展させ、つなげていくかの活動が重要だと認識をした上で、今後は地域のにぎわいづくりとのバランス感を身に付けながら、YEGが主体となり活動をしていきたいです。
アフターコロナにおける国際ビジネスの現状と、日本YEGの関わりについてはいかがでしょうか。
吉川 日本商工会議所の三村明夫会頭も、グローバルな視点で世界に目を向けていると講演などでよく言われており、日本YEGとしても国際交流ビジネス事業を支援していく必要があります。今年度は直接的な交流を持てませんでしたが、国際ビジネスに関心を持っていただく事業を開催し、参加したメンバーからは考え方が変わったとの声が聞かれました。
西村 海外に行くことだけが国際ビジネスにつながるのではなく、国内やオンラインでの国際的なビジネスセミナーは未来に対しての気付きのきっかけとして、これからも開催していきたいです。日本のコンテンツは世界から見て素晴らしいものがあります。例えばハワイのような観光地をモデルケースとして、観光資源の大切さに気付きシフトチェンジし価値を見いだしているように、今後、日本の観光も世界視点でどうやっていくかを考えていく必要があると思います。
それでは吉川会長より西村次年度会長予定者へエールをお願いします。
吉川 昨年度は、コロナ禍で緊急対応が多くありました。今年度は、終息を願っていましたが、これも叶(かな)わず過渡期のような感じでした。いまだ終息が見通せない状況ですが、次年度は適応期に入ることかと思います。コロナ対応だけではなく、時代の変化に合わせて、さまざまなことに西村次年度会長予定者の感性で取り組んでもらえればと思っています。
最後に西村次年度会長予定者から読者と全国のメンバーへお願いします。
西村 全国の単会がしっかりと前を向いてメンバー・地域のためにと活動をしていけるように、後押しとなる事業を展開し、このような状況下であってもYEG活動の在り方を見つけ出していきたいです。来年度日本YEGは40周年、日商は100周年の節目の年となる中で、われわれは親会、商工会議所あっての青年部なので、その一翼をともに担う団体としてしっかりと役割を果たしていきたいと思います。
いよいよ2022年度がスタートします。メンバーの皆さま、一緒に新しいYEGストーリーをつくっていきましょう。
プロフィール
2021年度日本YEG公式サイト
2021年度の日本YEGでは「全国の単会のためになる活動」「日本YEGだからこそできる活動」にこだわって活動してまいります。
詳細はこちら▶https://yeg.jp/
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