独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)はこのほど、ロシアに所在する日系企業に対して実施したロシアのウクライナ軍事侵攻後のロシア事業の現状と今後の見通しに関するアンケート調査の結果を公表した。調査期間は4月15~19日、対象は日系企業211社で、111社より有効回答を得た。
調査結果によると、現時点の事業ステータスについては、回答企業の55%が「一部もしくは全面的に事業(操業)を停止」と回答。前回アンケート(3月24~28日に実施)と比べ12ポイント上昇した。「通常どおり、または検討中」とする企業は44%、「撤退済み、もしくは撤退を決定」とする企業は1%だった(グラフ参照)。
駐在員のロシア国外への退避状況とロシアへの帰還については、「駐在員の一部もしくは全員を退避させた」企業は全体の86%。そのうち74%が、駐在員が任地ロシアへ帰還するタイミングについて「分からない、検討中」と回答した。また、帰還するきっかけとなり得る要因としては6割以上の企業が、「外務省による危険度レベルの引き下げ」(68%)、「停戦合意」(61%)を選んだ。
今後、半年から1年後の事業見通しについては、縮小(35%)、現状維持(30%)、分からない(28%)の回答が多く、撤退は5%、拡大は1%だった。現状維持と回答した企業からは「今後の物流事情の悪化や制裁強化の要因などにより、不採算品の事業停止・縮小やロシア市場からの撤退もあり得る」といったコメントも見られた。
詳細は、https://www.jetro.go.jp/news/releases/2022/76045cde7f4f9da0.htmlを参照。
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