静岡商工会議所と同所の外郭団体「新産業開発振興機構」は、地元企業や大学、行政などと連携して水中ドローン(ROV、遠隔操作型無人潜水機)を活用した港湾施設点検の実証実験を実施し、3月に結果を公表した。同事業は、国内港湾の水中施設の老朽化が進む中、点検業務を担う潜水士の不足や高齢化、点検作業の効率化や作業負荷の低減などの課題解決を目指すことを目的としたもの。2018年にプロジェクトを立ち上げ、21年度の国土交通省「海の次世代モビリティの利活用に関する実証実験」に採択され実用化実験に臨んだ。
実験では、潜水士の点検作業の一つである目視検査と写真撮影業務をROVで代替することや、機器導入に係る負担などを抑制するための地域内機器共有化運用体制(ローカルシェアモデル)の実現可能性などを検証。ROVによる目視検査では、検査場所によっては一部時間がかかるなど、効率化の課題は残ったものの、省力化が期待できる結果となった。
ローカルシェアモデルの運用については、必要な地元企業や支援機関の継続的な連携体制を構築。また、5月には、他の研究機関の運用試験の視察も実施するなど、今後、ROVのさらなる活用を検討していく。
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