日本商工会議所は7月29日、「商工会議所経営指導員全国研修会(支援力向上全国フォーラム)」経営指導員支援ノウハウ・事例発表会をハイブリッド方式で開催した。会合には、オンライン含め約340人が出席。優れた伴走支援などの取り組みを有する全国の商工会議所経営指導員9人から事例発表が行われ、審査の結果、各務原商工会議所(岐阜県)経営支援課課長補佐の所和彦氏がグランプリに選ばれた。
経営支援についての好事例・ノウハウの水平展開を通じて、各地商工会議所における中小・小規模企業への支援力向上を図ることを目的に開催している全国研修会の開催は今回で9回目。今年は日商創立100周年を記念し、「経営力再構築伴走支援の推進」の一環として、初めて全国の支援事例を評価する審査を行う「経営指導員支援ノウハウ・事例発表会」として実施した。
伴走支援や事業再構築など、支援策・テーマが高度化・進化し、商工会議所ならではの、より実践的でタイムリーな経営支援ノウハウが必要とされている中で、当日は、全国から寄せられた支援実績の中から、特に優れた取り組みと評価された9人がファイナリストとして参加。それぞれの具体的な伴走型支援の取り組み事例や経営指導を通じて得られたノウハウ、成果などを披露した。
グランプリに輝いた各務原商工会議所の所和彦氏は、実際に支援した地元の食品製造業の事例を「深い対話を軸にした高級冷凍パンによる新市場展開支援~共感と行動のマリアージュ」と題して発表。支援先との信頼関係構築、的確な経営課題の抽出と解決策の提示、検証・見直し、適切な支援策の活用などの取り組みに加えて、売り上げ増、雇用増、生産性向上、賃上げなど着実な成果を上げていることなどが高く評価された。
また、準グランプリには、川口商工会議所(埼玉県)総合政策課主任の小林貴洋氏を選定。7人のファイナリストと共に表彰した。
日商では、9人のファイナリストの発表をハイブリッド形式で全国の相談所、経営指導員と共有するとともに、中小企業支援のノウハウや取り組み事例を横展開。商工会議所全体の経営支援のレベルアップと、中小企業の自己変革の推進を後押ししていく。
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