本日ここに天皇陛下のご臨席を仰ぎ、日本商工会議所創立100周年記念式典を挙行できますことは、誠に光栄の極みであり、慶賀の至りに存じます。また、岸田内閣総理大臣をはじめ、多数のご来賓のご列席を賜り、主催者を代表して衷心より厚くお礼申し上げます。日本商工会議所は、わが国が第一次世界大戦の戦後処理をはじめとした諸課題に直面する中、1922年、全国の商工会議所の発意の下、わが国経済全体を見据えた活動を展開する組織として創立されました。以降、現在まで100年間にわたり、わが国商工業者ならびに地域経済・日本経済の発展を使命に、さまざまな活動を展開してまいりました。現在では、全国515の商工会議所および123万の会員企業ならびに青年部、女性会を有するに至っております。
今日の私共がありますのも、国ならびに都道府県、市町村のご支援はもとより、創立から現在までの全国の商工会議所の役員・議員・会員ならびに事務局職員の皆さまの多大なるご尽力の賜物であることは、申すまでもありません。
顧みますと、この一世紀に及ぶ日本経済の歩みは、決して順風満帆なものではなく、戦後復興やオイルショック、バブル経済の崩壊、東日本大震災など、幾多の苦難に直面してまいりました。その度に、私共は、全国の商工会議所との強固な連携の下、そのネットワークを最大限に活用し、中小企業の活力強化と地域経済の活性化に尽力してまいりました。
現在、わが国は、新型コロナウイルス感染症や、本格的な人口減少社会の到来、デジタル化の進展、国際社会の変容など、急激な環境変化に直面しており、地域経済・日本経済を支える企業、とりわけ、その大宗を占める中小企業は、これらの対応に迫られております。この克服には多くの困難を伴いますが、わが国には、創業100年を超える長寿企業が、世界で類を見ないほど数多く存在することから明らかなように、中小企業には、自ら時代や環境変化に対応する力が備わっております。その力をもってすれば、足元の苦境を必ず乗り越えることができると確信しております。
日本商工会議所ならびに全国の商工会議所は、この100周年という記念すべき節目に際し、「地域とともに、未来を創る」との理念の下、自己変革に果敢に挑戦する中小企業を一丸となって支援し、地域経済・日本経済の成長・発展に貢献してまいりますことを、ここに堅くお誓い申し上げます。
本日、ご列席を賜りましたご来賓の皆さまにおかれましては、日本商工会議所ならびに全国の商工会議所に対しまして、今後とも引き続き、よろしくご指導・ご支援を賜りますよう、心よりお願いを申し上げ、本日の式辞とさせていただきます。
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