日本商工会議所は11月17日、都内で臨時会員総会を開催し、小林健東京商工会議所会頭(三菱商事相談役)を第20代会頭に選出した。小林新会頭は就任に際し、「日本再生・変革に挑む」と題した所信を表明。3期9年の任期を終えた三村明夫前会頭は名誉会頭に就任した。
ハイブリッド方式で開催した日商の臨時会員総会には全国の商工会議所・会頭・副会頭ら約750人が出席。新会頭に選任された小林会頭は所信「日本再生・変革に挑む~志を高く、新しい時代を切り拓く~」で、「変革の連鎖」によって日本再生を成し遂げる決意を表明した。
所信では、「われわれ、企業が成長の原動力であるという当事者意識を持ち、現実を直視し、果敢に自己変革に挑まなければ、この時代を生き抜くことはできない」と強調。「今こそ、渋沢栄一翁の『逆境の時こそ、力を尽くす』という信念に学び、企業経営者が積極的に行動を起こしていかなければならない」と呼び掛けた。
経営者の責務について、「経済価値、社会価値、環境価値の三つを同時に追求すること、即ち社会に責任を持ち、貢献することだと考えている」と述べるとともに、「中小企業は、変化に対する柔軟な対応力を有しており、経営者と現場の距離も近く、経営者の理念を共有しやすい土壌がある」と指摘。「中小企業こそが自己変革と地域貢献・社会貢献の主役であり、日商の会頭として、先頭に立って自己変革に挑戦する中小企業のイノベーション創出と付加価値向上を通じた成長を支援、大企業と中小企業が共存共栄できる社会を目指していきたい」と決意を示した。
商工会議所の取り組みについては、「地域の第一線で活躍する会員企業と共に、課題や変化をタイムリーに察知し、商工会議所自らも変化に対応できる強い足腰を鍛え、『中小企業のイノベーション創出・成長支援』『大企業と中小企業の共存共栄の実現』『人と企業が輝く地域の創造』の3本柱の実現に取り組む」と強調。「商工会議所の最大の強みである515商工会議所・123万会員による強固なネットワーク力を最大限に生かすとともに、これまで活動の軸としてきた「現場主義」「双方向主義」を継承・徹底していく考えを示した。
三村前会頭は退任のあいさつで、3期9年の任期を振り返り、全国515の商工会議所の全ての役職員に謝意表明。今年9月の日商100周年記念式典で公表した商工会議所の活動方針である「宣言~地域とともに、未来を創る~」などに触れ、「日本の中小企業が『変化への挑戦』を通じて底力を発揮し、そして、中小企業と大企業、スタートアップが共に集う商工会議所が、官民連携しながら日本全体の変革をリードすることを心から祈念している」と述べた。
臨時会員総会では、第32期の副会頭、監事などを選任。副会頭には新たに嶋尾正氏(名古屋・会頭)、川崎博也氏(神戸・会頭)、藤﨑三郎助氏(仙台・会頭)を選任したほか、鳥井信吾副会頭(大阪・会頭)、上野孝副会頭(横浜・会頭)、塚本能交副会頭(京都・会頭)、福田勝之副会頭(新潟・会頭)、岩田圭剛副会頭(札幌・会頭)、泉雅文副会頭(高松・会頭)、池田晃治副会頭(広島・会頭)、谷川浩道副会頭(福岡・会頭)を再任した。
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