総合戦略の基本的考え方
・ テレワークの普及や地方移住への関心の高まりなど、社会情勢がこれまでとは大きく変化している中、今こそデジタルの力を活用して地方創生を加速化・深化し、「全国どこでも誰もが便利で快適に暮らせる社会」を目指す。
・ 東京圏への過度な一極集中の是正や多極化を図り、地方に住み働きながら、都会に匹敵する情報やサービスを利用できるようにすることで、地方の社会課題を成長の原動力とし、地方から全国へとボトムアップの成長につなげていく。
・ デジタル技術の活用は、その実証の段階から実装の段階に着実に移行しつつあり、デジタル実装に向けた各府省庁の施策の推進に加え、デジタル田園都市国家構想交付金の活用などにより、各地域の優良事例の横展開を加速化。
・ これまでの地方創生の取り組みも、全国で取り組まれてきた中で蓄積された成果や知見に基づき、改善を加えながら推進していくことが重要。
総合戦略のポイント
・ まち・ひと・しごと創生総合戦略を抜本的に改訂し、2023年度から27年度までの5カ年の新たな総合戦略を策定。デジタル田園都市国家構想基本方針で定めた取り組みの方向性に沿って、各府省庁の施策の充実・具体化を図るとともに、KPIとロードマップ(工程表)を位置付け。
・ 地方は、地域それぞれが抱える社会課題などを踏まえ、地域の個性や魅力を生かした地域ビジョンを再構築し、地方版総合戦略を改訂。地域ビジョン実現に向け、国は政府一丸となって総合的・効果的に支援する観点から、必要な施策間の連携をこれまで以上に強化するとともに、同様の社会課題を抱える複数の地方公共団体が連携して、効果的かつ効率的に課題解決に取り組むことができるよう、デジタルの力も活用した地域間連携の在り方や推進策を提示。
施策の方向
デジタルの力を活用した地方の社会課題解決
デジタルの力を活用して地方の社会課題解決に向けた取り組みを加速化・深化
1.地方に仕事をつくる
スタートアップ・エコシステムの確立、中小・中堅企業DX(キャッシュレス決済、シェアリングエコノミーなど)、スマート農林水産業・食品産業、観光DX、地方大学を核としたイノベーション創出など
2.人の流れをつくる
「転職なき移住」の推進、オンライン関係人口の創出・拡大、二地域居住などの推進、地方大学・高校の魅力向上、女性や若者に選ばれる地域づくりなど
3.結婚・出産・子育ての希望をかなえる
結婚・出産・子育ての支援、仕事と子育ての両立など子育てがしやすい環境づくり、こども政策におけるDXなどのデジタル技術を活用した地域のさまざまな取り組みの推進など
4.魅力的な地域をつくる
教育DX、医療・介護分野DX、地域交通・インフラ・物流DX、まちづくり、文化・スポーツ、防災・減災、国土強靱(きょうじん)化の強化など、地域コミュニティ機能の維持・強化など
デジタル実装の基礎条件整備
デジタル実装の前提となる取り組みを国が強力に推進
1.デジタル基盤の整備
デジタルインフラの整備、マイナンバーカードの普及促進・利活用拡大、データ連携基盤の構築(デジタル社会実装基盤全国総合整備計画の策定など)、ICT活用による持続可能性と利便性の高い公共交通ネットワークの整備、エネルギーインフラのデジタル化など
2.デジタル人材の育成・確保
デジタル人材育成プラットフォームの構築、職業訓練のデジタル分野の重点化、高等教育機関などにおけるデジタル人材の育成、デジタル人材の地域への還流促進、女性デジタル人材の育成・確保など
3.誰一人取り残されないための取り組み
デジタル推進委員の展開、デジタル共生社会の実現、経済的事情などに基づくデジタルデバイドの是正、利用者視点でのサービスデザイン体制の確立など
地域ビジョンの実現に向けた施策間連携・地域間連携の推進
(モデル地域ビジョンの例)
・ スマートシティ/スーパーシティ
・ SDGs未来都市
・ 「デジ活」中山間地域
・ 脱炭素先行地域
・ 産学官協創都市
(重要施策分野の例)
・ 地域交通のリ・デザイン
・ 遠隔医療
・ こども政策
・ 地方創生テレワーク
・ 教育DX
・ 観光DX
・ 地域防災力の向上
(施策間連携・地域間連携の例) (略)
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