中小企業庁はこのほど、第7回「新たなビジネスモデルを踏まえた商工中金の在り方検討会」を開催し、今後の商工中金のあるべき姿・あるべき役割などについて報告書を取りまとめ、公表した。報告書では、今後、期待される役割・ビジネス モデルについて「真に中小企業の役に立つ金融機関として寄り添った支援」「危機対応業務の実施」「日本政策金融公庫との差別化」の3点を提示。「政府保有株式」「特別準備金」「商工債」「適正な競争関係の確保、連携協業の推進」「危機対応業務・危機対応準備金」「業務範囲」「各種規制」「政府による関与」「株主資格」など資金面の政策措置とそれ以外の政策措置については、現状と今後の方針を明記した。また、同検討会の第1回会合に出席した日本商工会議所の大島博特別顧問(中小企業委員会共同委員長)が、特にその重要性を指摘していた「危機対応業務の責務」「株主資格制限の維持」「特別準備金の維持」などは報告書に盛り込まれた。
「政府保有株式」については、「今」このタイミングで改革を実行し、2年以内に政府保有株式の全部売却と株主資格から政府を削除する制度改正を求める方針を明示。「株主資格制限」については、株主資格制限、5%以上の議決権取得の大臣 認可は維持し、商工会議所を含む中小企業関係団体も株主資格の対象とすべきとする考えが示された。
「特別準備金」については、維持するが、危機対応準備金と同様に一定の条件の下で商工中金の判断により返納することとする規定に見直す。「危機対応業務」については、危機対応業務を行う責務を措置するとともに、危機対応準備金を維持。「民間金融機関の参入状況などを勘案し、責務の在り方は適時適切に見直すべき」と提言している。
完全民営化の方針は維持するとともに、政府保有株式を全部売却後の商工中金法の廃止については、改めて判断すべきと提言。「中小企業に寄り添った支援を行うとの考え方や危機対応を確実に実施することの定款への記載が望まれる」との方 針が盛り込まれている。
詳細は、https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/kenkyukai/businessmodel_syokoutyukin/007.htmlを参照。
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