日本・東京商工会議所は4月20日、知財の創造・活用の加速、知財保護の強化や知財の公正な取引推進などを求める「知的財産政策に関する意見」を取りまとめ、公表した。意見書では、「中小企業・スタートアップにおける知的財産の創造・ 活用」「経済安全保障・取引適正化などを踏まえた知的財産の保護強化」「地域の産学官金連携による知的財産を活用した地方創生の推進」「デジタル空間の進展に伴う法整備と日本発コンテンツ市場の拡大」の四つの柱に沿った施策を展開する よう提言。今後、政府の知的財産戦略本部をはじめ関係各方面に提出し、意見の実現を働きかける。
意見書では、基本的な考え方として、中小企業の付加価値拡大の鍵は「知財の創造と活用」と指摘。諸外国に負けない支援の拡充が必要と強調した。
また、知財取引適正化の推進と、経済安全保障と知財価値向上に資する知財保護強化の重要性も指摘。知財を活用した新産業・事業創出の推進、コンテンツ関連産業による外需取り込みなども求めている。
中小企業・スタートアップにおける知的財産の創造・活用に向けては、企業のイノベーション創出、付加価値拡大に向け、中小企業支援機関における支援体制の強化や予算措置の必要性を強調。経営者の関心を高めるための普及活動、知財金融 の促進などを要望している。
「経済安全保障・取引適正化などを踏まえた、知的財産の保護強化」については、国内企業の技術流出対策や特許非公開制度などの経済安全保障の推進の重要性を指摘。「パートナーシップ構築宣言」に含まれる知財取引の適正化、知財価値の適正評価、侵害抑止に向けた権利の保護を提案した。
「地域の産学官金連携による知的財産を活用した地方創生の推進」に向けては「大学などの特許開放を通じた産学連携などの支援」「地域団体商標の取得・活用の促進」などを要望。「日本発コンテンツ市場の拡大」については、「海賊版サイトやリーチサイトの取締強化による正規コンテンツの利活用の促進」などを提案しているほか、新市場における知財保護に向けた環境整備、地域の魅力・コンテンツの磨き上げに向けた産業支援強化も求めている。
知的財産政策に関する意見
(意見項目)
Ⅰ.中小企業・スタートアップにおける知的財産の創造・活用
Ⅱ.経済安全保障・取引適正化などを踏まえた、知的財産の保護強化
Ⅲ.地域の産学官金連携による、知的財産を活用した地方創生の推進
Ⅳ.デジタル空間の進展に伴う法整備と日本発コンテンツ市場の拡大
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