日商簿記1級(第161回試験)
本質の理解に重点
桜井さんは、都内IT企業で働く傍ら公認会計士の資格取得を目指し、その過程で1級を受験。最も優秀な成績で合格した。働きながらの受験だったため、効率性を意識した。知識をインプットする際、常に全体との関係や、ほかの論点とのつながりを意識して学習に取り組んだが、問題演習に取り組み始めた当初は思うように成果が出なかった。そこで、「個別論点の確認がある程度終了したら早めに過去問題の演習や答案練習会などに取り組み、理解が不十分な分野は、テキストに戻って基礎を固めるようにしました」と振り返る。また、単に丸暗記するだけでは試験や実務では通用しないと考え、本質を理解するように努めたという。現在、公認会計士試験に向けて学習に取り組んでおり、「資格取得後は、目標としている監査法人に入所して社会に貢献していきたい」と今後の抱負を語ってくれた。
日商簿記1級(第162回試験)
悔しさを糧に繰り返し学習
池田さんは大学生になってから本格的に1級の学習を始めた。授業以外の時間は自主学習に取り組んだ。勉強の工夫点としては、ミスをまとめたノートを作成し、繰り返し確認した。1回目の受験では惜しくも不合格だったが、その悔しさもあり、ただ合格を目指すのではなく高得点での合格を目指そうと決心。「学習を通じて会計の楽しさや奥深さに触れたことで、勉強に対する意識が向上した」と自身の成長を実感した。管理会計分野が苦手だったが、苦手な論点から逃げると後から困ると自分に言い聞かせ、何度も繰り返し問題を解き直した。「解法を暗記するのではなく、根本的な理解を深めることで、初見の問題でも自信を持って解ける実力が付いていく」「絶対に落ちることはできないと いう強い気持ちと覚悟が重要」と振り返る。将来に向けては、「公認会計士として会計に困る人や企業の役に立ち、経済の発展に貢献したい」と抱負を語ってくれた。
リテールマーケティング(販売士)検定試験1級
習得した知識を業務に生かす
経済団体に勤務する金澤さんは、企業が抱えるさまざまな経営問題に対する支援を行っている。多様な経営相談に対応するため、これまであらゆる資格を取得してきた。近年、販売・マーケティングに関する相談が大幅に増えてきたことから、1級を受験。学習においては、公式テキストである「販売士ハンドブック」を科目ごとに精読後、市販の問題集を解くことを繰り返して知識と理解の向上に努めた。また、1級の試験では記述式穴埋め問題があるため、重要語句を正確に覚えることにも注力した。本資格の取得に取り組むことで、「販売・マーケティング分野には苦手意識がありましたが、自信が持てるようになりました」と語る金澤さん。今後は「学習することで得た知識を、現在従事している小規模事業者の経営支援に生かしていきたい」と抱負を語ってくれた。
日商PC検定試験(文書作成)1級
「伝える力」向上を実感
埼玉県の職業訓練校も兼ねる学校で、パソコンだけでなく簿記などの講座も担当するインストラクターとして活躍する藤峰さん。3分野(文書作成・データ活用・プレゼン資料作成)全てで2級以上の合格者に交付される「日商PCプロフェッショナル認定証」はすでに取得していたが1級への挑戦はまだなかった。しかし、「より良い仕事をしたい」と受験を決めた。受験に当たっては、公式テキスト(2級・3級)などを再度丁寧に読み込むことから始めた。同時に、合格する解答を作成するために押さえておくべきポイントや、注意すべき点なども整理し、確実に合格するための準備を行った。資格取得を通じた自身の成長は、「論点を簡潔にまとめることができるようになり、人に何かを伝える力が養われたこと」だと語る。「インストラクターとして、受講者が理解しやすい授業を今後も展開していきたい」と仕事への意欲も語ってくれた。
日商PC検定試験(データ活用)1級
下位級の復習に注力
パソコン教室のインストラクターとして幅広い受講生を指導する安田さん。知識とスキルを持っていたため、1級の受験に際しても躊躇(ちゅうちょ)することはなく、2級や3級の内容を復習することに注力して取り組んだ。知識科目は通勤途中などの隙間時間を利用して効率的に勉強。実技科目は模擬問題などを活用して繰り返し操作してスキルを磨いた。資格取得を通じた自身の成長については、「2級や3級を学び直すことで、理解がより深まった」と語る。同時に、1級試験の学習を通じて、これまでの知識を応用・活用していくことの大切さを学んだとのこと。今後については、「業務の効率化にもつながるスキルを身に付けられる検定として、多くの受講生に日商PC検定を勧めていきたい。また、受験を通じて深く学んだ経験も踏まえて今後の業務に生かしていきたい」と抱負を語ってくれた。
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