恵庭市は札幌市と新千歳空港の中間に位置し、JR快速で札幌駅まで24分・新千歳空港駅まで13分と交通アクセスに恵まれています。市内には三つの陸上自衛隊駐屯地と六つの工業団地があり、自然環境にも恵まれた人口約7万人のまちです。
恵庭市が本格的に「花によるまちづくり」に取り組み始めたきっかけは、1991年、市民有志によるガーデニング先進国・ニュージーランドのクライストチャーチ視察でした。「個人宅の庭でもまちの美しい景観の一部となれる」と感銘を受けた視察メンバーは、個人の庭を審査するコンテストの開催を開始。その後はガーデニングをする住民がどんどん増えていきました。市では「えにわ花のまちづくりプラン」を98年に策定。10年ごとに改定しながら市民に取り組みを提示し、市内最大のイベント「花とくらし展」を毎年開催するなど、まち全体で"花によるまちづくり"を進めています。今では、ガーデニングをしたいと恵庭市に移住してくる人も増えてきました。また、2021年には、新しい観光スポットとなる花の拠点「はなふる」が整備されました。昨年6月には全国都市緑化フェア「ガーデンフェスタ北海道2022」のメイン会場として、開催1カ月間で全国各地から約34万人の方々が来場。「花のまち」としての認知度を実感しました。
当社は、義父で創業者である先代社長が恵庭市で花苗生産を始めました。冬季期間にビニールハウスで育てた花苗を春からホームセンターなどに出荷しています。実は、札幌大通公園の花壇の花苗は、約7割が当社で生産されたものです。花の生産から造園工事まで一貫して対応できることが当社の強みですが、会社の敷地でガーデンショップやカフェも営み、花に関する情報発信にも力を入れています。花を通じてさまざまな人々に感動を与えることが当社の目標です。
私はスキーと登山が好きで、故郷である青森県弘前市から北海道の大学へ進学しました。大学で建築を専攻し、卒業後に設計事務所に勤務するなど、1級建築士としての技術と経験を積んだことが事業を承継した当社での仕事にも生かすことができています。
昨年11月に恵庭商工会議所五代目会頭に就任しました。地域経済のけん引役として重責を感じていますが、商工会議所運営も同様に、会員さらには市民の皆さんが恵庭の暮らしの中での素晴らしい「体験」を通して、「恵庭で事業をして良かった」「恵庭に住んで良かった」と思えるようなまちづくりができれば、恵庭はさらに発展していけると信じています。
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