近い将来、移動通信システムで、6G(シックス・ジェネレーション)通信(以下、6Gと称す)が到来したら、今のスマートフォンは一体全体どのような使われ方をしているのだろうか▼
1Gは1980年代の電話の時代に、車載電話を路上に持ち出したようなもので、バカでかく肩から担ぐショルダーフォンといわれていた代物だった。2Gでは、90年代でメールができるようになった。3Gでは、2000年代でインターネットとつながった。4Gでは、10年代でマイクロ波を使用して動画や音楽を送ることができた。5Gでは、20年代でミリ波を使用して速度が4Gの20倍の超高速で、複数のスマホが同時に接続することも可能となった▼
6Gでは、東北大学の西沢潤一教授の発見したテラヘルツ波を使ってテレポーテーションや遠隔手術、遠隔治療、それにデジタルツインなどが可能となりそうだ。スペースX社のイーロン・マスク氏は衛星コンステレーション計画といって4万基の衛星を地球の周回軌道に打ち上げてスマホに利用しようとしている。この6Gの経済効果は35年に170兆円となる試算もある▼
5Gまで、日本企業は米国のアップルやメタにプラットフォームを押さえられ日本企業はビジネスチャンスという面で後塵を拝した。しかし、6Gでの戦いはこれから始まるのであり、日本企業はその技術的側面を十分に理解し、欧米の企業に先んじてその開発に尽力してもらいたい▼
具体的には、6Gを使えば、どのような新しいことが実現できるのか、どのような楽しいことができるようになるのか、超高速・大容量、低遅延、同時多数接続を生かした新しいプラットフォームを構築してもらいたい
(政治経済社会研究所代表・中山文麿)
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