明治150年の本年、商工会議所は設立140周年の節目の年を迎えている。これまで日本経済は、戦争や震災など幾多の危機や時代の変化に直面しながらも、創意工夫や柔軟な対応力を発揮しこれらを乗り越えてきた。商工会議所は、地域総合経済団体として商工業と国民経済の総合的な改善発展を図ることで、世界に冠たる経済大国としての日本の礎を築いてきた。
足元の日本経済は、長らく続いたデフレからようやく脱却しつつある。一方で、人口減少、人手不足、地域の疲弊など構造的な課題は深刻化し、今そこにある危機として、我々の会員企業に最も先鋭的な形で顕在化している。
これらの課題を克服し、日本、地域、企業の持続的な成長を実現するためには、産官学など多様な主体が連携し、粘り強く取り組むことが不可欠となる。また、将来の国内市場の縮小を想定した上で、グローバルに活躍する中小企業を数多く輩出していくことも必要である。
日本経済を成長に導く主役は、我々民間企業である。
明治11年、渋沢栄一翁は、「強い民間経済の実現」と「公益と私益の調和」を掲げて、商工会議所を設立した。この精神は今でも変わっておらず、民間主導の成長に向け、商工会議所の果たすべき役割は大きい。
今こそ、日本商工会議所および515商工会議所は一丸となり、現場主義、双方向主義のもと、日本再生に向けた地域と中小企業の挑戦を強力に後押ししていかなければならない。震災復興と福島再生へ継続的に支援していくことも重要である。
以上の認識に立ち、復興五輪の成功や大阪・関西万博の誘致といった国家的プロジェクトの効果なども十分に活かし、我々商工会議所は、下記の取り組みに邁進し、これからの未来を切り拓いていくものである。
1.デジタル技術などを徹底活用し、生産性向上、価値ある事業の承継などの中小企業の挑戦を後押ししよう 2.働き方改革や健康経営など中小企業の足腰の強い経営基盤の確立を支援し、人手不足に打ち克とう 3.行政や大学など多様な主体との広域連携・協働で地域資源をフル活用し、地方創生を加速しよう 4.全国各地で頻発する大災害への迅速な対応と、災害に強い地域づくりにリーダーシップを発揮し、全力で取り組もう (9月20日)
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