東京商工会議所では、各地商工会議所の会員事業者を対象とした月々定額の福利厚生のアウトソーシングサービス「CLUB CCI」を提供している。同サービスの導入により、企業の人事担当者の少ない事務負担で、従業員とその家族の生活を多様なメニューでサポートすることが可能。アプリやメルマガ、デジタル会報誌も活用し、季節や地域ごとに新しい優待特典やイベント情報を届けている。特集では、企業の人手不足や採用難が深刻化する中、なぜ法定外福利厚生の充実が注目されているのか、昨年度の新規加入者が大幅に増加した「CLUB CCI」の魅力とともに紹介する。
「CLUB CCI」では、福利厚生アウトソーシングサービスの業界最大手2社のサービス「福利厚生倶楽部(運営会社:株式会社リロクラブ)」と「ベネフィット・ステーション(運営会社:株式会社ベネフィット・ワン)」に、オリジナル特典などを付与した4プランを提供している。導入前にデモサイトで具体的なサービスや特典を確認できるのも魅力。商工会議所の会員事業者であれば、運営会社で直接入会するよりお得に利用できる。
コロナを経てサービスメニューが拡大
企業の福利厚生といえば長年にわたり旅行やレジャー施設などを提供し、余暇を充実させることが中心であった。余暇の定義が大きく変わったのは2020年以降、コロナによる外出自粛や相次ぐ旅行代理店の閉店だ。この間に運営会社の2社をはじめとした福利厚生業界では、デジタルコンテンツや食事のデリバリーサービス、ネット通販などオンラインで利用できる在宅支援サービスを急速に充実させ、社会情勢や新生活様式に合わせたメニューを拡充し、福利厚生サービスの価値を維持してきた。さらに、全国旅行支援やアフターコロナによる旅行、レジャーへの需要が急回復したことにより、個社では十分整備できないほど幅広いサービスを取りそろえることとなった。また、従業員と家族の余暇に対するニーズが多様化する中、法定外福利厚生を充実させたい人事担当者のニーズに合致したことが、サービス利用の拡大につながっている。
「CLUB CCI」とは
月々定額の福利厚生のアウトソーシングサービス「CLUB CCI」を導入すると多様な福利厚生メニューが優待価格で利用できる。従業員はもちろん、家族の利用も可能。さらに従業員や家族が利用する旅行やレジャーでは、その同行者も同じ優待を受けられるのも特長の一つだ。利用方法は、従業員は勤務先を介さずに施設などに直接サービスを申し込んで簡単に利用できるため、企業の事務負担が少なく従業員のプライバシーも守られる。サービスは、従業員と最大3親等以内の家族が利用可能で、IDとパスワードを家族で共有し、「会員専用サイト」「アプリ」「会員証の提示」などにより使用できる。会員オリジナル特典として、「通常2万円~100万円の入会金が無料」「リーズナブルな月額会費」「全プランに人気テーマパーク1000円補助」などの魅力的なサービスが満載。旅行・レジャー、グルメ、映画、エンタメ、ショッピング、リラクゼーション、健康、スポーツ、育児、教育、介護、資格、趣味、資産形成、ライフプランなど、日常生活で幅広く活用できるサービスを豊富に取りそろえている。「福利厚生倶楽部」「ベネフィット・ステーション」の提供するサービスのほか、連携している商工会議所の会員企業が取り扱う商品やイベント、各種サービスの「優待価格での販売・提供」など、商工会議所独自のコンテンツを発掘して、メールマガジンで配信している。
働きやすい環境づくりや学生へのアピールに
「CLUB CCI」は、手軽に福利厚生を充実させ、内外へアピールできることが最大のメリットといえる。人材確保がますます難しくなる中、特に地方の商工会議所地域では、企業にとって厳しい状況が続いている。同所では、昨今増えている主に三つの悩み「1.従業員の満足度を高め、離職を防止したい」「2.採用活動における強みにしたい」「3.コストを抑えて福利厚生を充実させたい」を解決するサービスとして、事業者へ活用を呼び掛けている。また、同サービスでは、人材の確保・定着の観点から、福利厚生制度の充実を客観的に確認・提示できるよう加入証明書を発行するほか、企業の採用ページにて「CLUB CCI」を導入していることを掲げて求職者に福利厚生の充実をアピールするよう推奨している。既存の従業員の満足度(ES)向上に向けては、人事担当者が簡単に旬な情報を従業員に提供できるよう、利用促進ツールとしてのメールマガジンを配信している。
小規模事業所にも大きなメリット
「CLUB CCI」は、個人事業主や従業員数10人未満の事業者で大きなメリットを享受できる。「福利厚生倶楽部」「ベネフィット・ステーション」ともに、直接契約の場合は個人事業主は加入できないが、「CLUB CCI」では加入できる。また「ベネフィット・ステーション」の直接契約では、最低10人分の会費負担が必要だが、代表者1人だけの会社であれば1人分の月会費で加入できる。
新規入会キャンペーンで月会費2カ月無料
「CLUB CCI」では、2023年10月~24年2月の期間中、新たに「CLUB CCI」に入会した事業者に全てのプランを月会費2カ月無料で提供する新規入会キャンペーンを実施。昨年度は新規加入メンバー数が例年の2倍以上に増加しており、今年度も引き続き高いニーズが見込まれる。利用者からは、「食事や宿泊補助などを従業員が利用し、導入後の反応は上々」「衣食住を中心に幅広いメニューがそろっている」などの声が寄せられ好評。同所では「さまざまな場面で利用できる豊富なメニューで、中小企業の人材確保・定着に役立ててほしい」とアピールしている。キャンペーンやサービスに関する相談は、東京商工会議所のほか15の商工会議所(千葉、名古屋、大阪、豊中、広島、神戸、北大阪、北九州、青梅、和泉、八千代、海老名、草加、安城、深谷)でも応じている。
詳細は、https://www.tokyo-cci.or.jp/clubcci/を参照。
福利厚生倶楽部
充実した提携施設数が魅力 「福利厚生倶楽部」では、「プラチナプラン」と「ゴールドプラン」の二つのプランを用意。上位プランの「プラチナ」は、充実したサービスが魅力で宿泊料金については「ゴールド」より1人当たり1000円お得に利用できる(ゴールドプランは一部利用できない宿泊施設がある)。「福利厚生倶楽部」の宿泊・旅行メニューは、3親等まで利用できる。18の大手旅行ブランドを一括比較できる宿泊横断検索で最もお得な宿泊プランを選べ、特別補助・特典が付く。また、1泊2500円からの「トク宿プラン」も好評。さらに国内パッケージツアーが最大6%補助、海外パッケージツアーが最大12%補助となる。 ライフサポートメニューは2親等まで利用できる。プレミアムグルメやスポーツジム、映画の割引が人気。レジャー施設や各種チケット・コンテンツをはじめ、百貨店や商業施設の店舗での買い物や、ネットショッピングでも割引を受けられるものもある。育児や介護の相談窓口・補助金制度、従業員が安心して働けるサービスのほか、結婚、出産、入学、住宅購入など、ライフイベントに合わせたお祝いや応援制度などで、従業員とその家族の暮らしをサポートするための幅広い制度を用意。毎月29日を「ふくりの日」として設定し、2900円の宿や790円の映画観賞券など特別にお得なサービスも提供する。また、「福利厚生倶楽部」の公式アプリでは、お得な情報やキャンペーン情報、おすすめ記事を随時更新。気になる記事をタップして読むだけでクラブギフトがたまるポイントシステムも充実している。
詳細は、https://www.fukuri.jp/fkr/apps/top/AASC20111.cfmを参照。
ベネフィット・ステーション
申し込みがオンライン完結 「ベネフィット・ステーション」では、お手軽な料金設定が魅力の「通常プラン」と「ライトプラン」の二つのプランを用意。どちらも「CLUB CCI」オリジナルのプランで、「人気テーマパーク1000円補助」が付帯する。上位プランの「通常プラン」は、宿泊・旅行メニューも充実。対象のプラン(Beneオリジナル、JTB国内パック)利用時に一人当たり1000円の宿泊補助が受けられる(年6人泊まで)。また、宿泊・旅行メニューとともに、ライフサポートメニューでも2親等以内の家族利用が可能となっている。さらに、人事担当者が行う従業員の追加加入や退会手続きなど、全てデジタル化されており、会員証についてもスマートフォンアプリのデジタル会員証になっていて利便性が高い。人事担当者が担当者サイトで利用状況などを常時閲覧できるほか、会員証を配布する必要がないため在宅ワークがメインの事業者などに選ばれている。宿泊、レジャー、ショッピングをはじめ福利厚生全般のサービスメニューを取りそろえているが、中でも特徴的なのは、デジタルコンテンツやエンタメ、e―ラーニングに強みがあることだ。電気・ガス料金の優待など、日常生活をサポートするメニューも充実している。
詳細は、https://bs.benefit-one.co.jp/bs/pages/bs/top/top.facesを参照。
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