川越市は埼玉県で初めて市制を施行し、昨年12月に市制施行100周年の大きな節目を迎えました。川越は「小江戸」の愛称で親しまれ、年間約775万人(コロナ前)の観光客でにぎわうまちで、古くは江戸との舟運で城下町として栄え、現在も蔵づくりのまち並みや川越まつりなど、江戸情緒を色濃く残す歴史的・文化的遺産が数多くあります。
東京オリンピック2020大会では、市内の霞ヶ関カンツリー倶楽部でゴルフ競技が開催されたことで海外メディアからも注目され、「KAWAGOE」が世界に発信されました。そのかいあってか、最近ではインバウンドが急速に回復し、欧米からの旅行者も増えてきています。観光のイメージが強い川越ですが、中心部で商業・観光業が繁栄する一方、郊外には工業団地や農業地帯が広がり、多様な産業がバランス良く発展しています。商工会議所の活動を通じ、これらの産業を地域資源として地域経済の発展に生かしていきたいと考えています。
私が社長を務める武州瓦斯株式会社は、1926年10月の設立から、間もなく100周年を迎えます。地域のインフラを担う企業の経営者として指針にしているのは「右手に算盤(そろばん)、左手に論語」という渋沢栄一翁の言葉です。企業は事業により適正な利益を得るとともに、「世のため、人のため」という社会的責任を果たさなければなりません。昨今、ESGやSDGsといった言葉が注目を集めていますが、当社において地域社会へ貢献するのは前提であり、社員一人一人が無意識のうちに実践しています。100年近くにわたって地域の暮らしを支えてきた実績と信頼こそが、当社の事業基盤であり、経営資産にほかなりません。地域経済の発展を促して、この大切な資産を増やしていくことが当社の目標であり、使命であると考えています。
私は軟式野球が好きで、休日は東日本軟式野球大会(2部)で優勝したこともある当社の野球チームの応援によく行きます。私自身は、川越商工会議所主催の「職場対抗野球大会」で、ピッチャーとして出場することが楽しみでした。野球で培われる人間性の成長や、強固なチームワークは、日頃の仕事やコミュニケーションに大いに役立っています。
昨年11月に、当所第14代会頭に就任しました。「人と企業が輝く川越へ 変革に挑む!」をスローガンに掲げ、川越で企業を営む人、そこで働く人が輝くための支援を通じて地域のにぎわいを創出していきます。そして、商工会議所自身もさらに輝くための変革に挑戦してまいります。
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