ここへ来て、中国経済の低迷が鮮明化している。これまで高成長を支えてきた不動産市況の悪化に歯止めがかからない。不動産関連分野はGDPの3割程度を占めるとの試算もあり、経済に与える負の影響は大きい。不動産価格の下落や住宅販売の減少によって、中国国内のデベロッパーの経営体力は低下し、債務不履行の恐れも高まっている。加えて、土地譲渡益の減少によって地方財政も悪化し、インフラ投資などの景気刺激策を発動することは難しくなった。雇用、所得環境は悪化し中国の需要は減少した。7月の輸入は前年同月比12・4%減少した。
川上の物価動向を示す生産者物価指数(PPI)は同4・4%下落、消費者物価指数(CPI)も同0・3%下がった。自動車、家電、家賃などの価格は下落し、デフレ圧力は高まっている。また、海外経済の環境の悪化や半導体など先端分野での米中対立の影響もあり、7月の輸出は前年同月比14・5%減少した。
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