日本商工会議所は11月16日、IT人材の育成・確保に向け、「日商プログラミング検定」を創設することを発表した。同検定試験は、学習の進捗度に応じて、初学者から段階的に学習・受験できるよう四つのレベルを設定。パソコン画面に回答を入力するなど、インターネットを介して試験の実施から採点、合否判定までを行うネット試験となっている。2019年1月から各レベルを順次実施する。
19年1月から実施
人工知能(AI)、IoTなどIT利活用の高度化・多様化により第4次産業革命が進行する中、小学校での必修化をはじめプログラミング教育が大きな注目を集めている。企業活動においてはIT需要が増大する一方、2030年には最大78・9万人ものIT人材が不足するとの推測もあり、IT需要の増大を担うIT人材の不足が深刻化している。また、中小企業においては、IT利活用による生産性向上に取り組む上で、ITスキルを持つ人材がいないことが大きな経営課題となっている。
進展するIT社会に対応した基礎的なプログラミングスキルの習得は、今後、全ての企業人に求められる素養となることが考えられる。このため、同検定試験は、学生・社会人をはじめ多くの人材がプログラミングを学ぶことで、IT人材の育成・確保のみならず、中小企業のIT化支援につながることを目指す。
受験資格に制限は設けない。年齢、職業は問わず、IT技術者だけでなく、学生・社会人など、幅広い層からの受験を見込む。試験方式は、インターネットを介して試験の実施、採点、合否判定を行うネット試験で施行する。試験は、各地商工会議所および各地商工会議所が認定した試験会場で行うため、自宅での受験はできない。試験日時は各試験会場が決定する。
試験は、①EXPERT、②STANDARD、③BASIC、④ENTRYの四つのレベルを設定。試験内容・試験範囲は、IT全般の試験ではなく、プログラミングスキルの習得に関する事項を中心としたものとしている。上位レベルの試験においては、より実践的な内容とするよう、C言語、Java、VBAの言語別に(AIの開発に使用されるPythonの追加を予定)、知識試験のみならず、課題をプログラミングする実技試験も実施する。
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