各地イベントで訪日客が大幅増
国内最大級のテーマパークであるユニバーサル・スタジオ・ジャパンが2024年春に「スーパー・ニンテンドー・ワールド」の拡張について発表。「万博との相乗効果」を狙うとのコメントがありました。確かに25年の大阪・関西万博まであとわずか、近畿地方では大型かつ長期開催のイベントへやって来るインバウンドで周辺も潤うことを期待してのことなのでしょう。
ただ、万博に限らず、国内では外国人観光客にとって、日本を訪れる機会になりそうなイベントが、24年は各地で行われる見込みです。例えば、冬のイベントの代表といえばイルミネーション。空気が澄んだ時期なのでまばゆく輝く圧巻の光景が各地に登場します。あるいは日本の代表的な文化となりつつあるアニメ関連の作品展。また、全国各地で行われる歴史や文化にまつわるイベント。こうしたイベントで外国人観光客が大幅に増えています。その理由は訪日前にチェックしておくサイトで全国津々浦々の情報が入手できるようになったから。
メディアを活用し情報発信を
代表的なのが日本政府観光局の運営する総合観光サイト「JNTO」。英語やスペイン語、中国語をはじめ世界15言語に対応しており、日本全国の観光地情報はもちろん、各地でのイベントや体験情報、おすすめのレストランや食の情報、移動手段に関する情報まで、日本の観光に必要な情報を全て網羅しており、インバウンド向けのウェブサイトとしては最も有名なものの一つといえます。
あるいは「All about Japan」。より多くの人に日本好きになってほしいという願いの下、国外へ向けて日本の情報を発信しているウェブメディアです。国内外在住の外国人ライターが外国人目線で季節ごとのトレンドや見どころを取り上げており、コンテンツも豊富に掲載されています。
こうしたインバウンド向けメディアが加速的に発達してきており、万博のような大型イベントでなくても訪日や訪日後に立ち寄る機会を生み出しつつあります。
ところが、こうしたメディアは日本語対応したサイトがないケースが大半。故に、そのメディアの持つ影響力を知らずに活用できていないイベントがたくさんあるのではないでしょうか。そうだとすれば、あまりにもったいない話です。
こうしたメディアを運営する関係者に話を聞いたところ、外国人観光客向けのイベントを全てカバーできているわけではない、情報を提供いただければ、紹介できる可能性は高いとのこと。一度、サイトを確認して、イベントの紹介をしてみてはいかがでしょうか。
(立教大学大学院非常勤講師・高城幸司)
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