日本商工会議所の小林健会頭は12月21日、定例の記者会見で2024年度の与党税制改正大綱について、「中小企業の構造的・持続的な賃上げや成長投資を後押しする税制措置が数多く講じられており、高く評価している」と述べた。特に、事業承継税制については、「特例承継計画の提出期限が2年延長されたことは非常にありがたい」と強調。円滑な事業承継のため、引き続き、商工会議所としても支援していく考えを示した。
日商の小林会頭は、12月14日に取りまとめられた24年度の与党税制改正大綱で、商工会議所の要望の多くが実現したことについて、「日商はもとより、各地商工会議所も地元選出の国会議員に対して力強く働きかけた結果」と指摘。「中小企業の構造的・持続的な賃上げや成長投資を力強く後押しする税制措置が数多く講じられたことを高く評価している」と述べた。 特に、事業承継税制については、「今の経済状況や経営者の年齢を考えると特例承継計画の提出期限が2年延長されたことは非常にありがたい」と強調。「これにより、まだ事業承継に迷っている企業も考える時間ができた。高齢化が進む中小 企業経営者の円滑な事業承継のため、商工会議所としても引き続き、後押しする」との考えを示した。
賃上げ促進税制については、「繰越控除措置が過去最長となる5年という期間で講じられ、大変ありがたく思っている」と述べ、見直しの効果に期待を表明。外形標準課税については、「われわれの意見も踏まえつつ、中小企業やスタートアップを対象外とする見直しとなったことに安堵している」と評価した。
交際費から除外される飲食費の上限額(1人当たり5千円)が1万円と大幅に引き上げられたことについては、「交際費は枠取りができると使おうとするものだ」と指摘。今後、消費が喚起されることへの期待を示した。
政府が24年6月に予定している定額減税については、「経済が正常化するまでの措置である」と述べ、続けることには否定的な考えを示した上で、「ガソリンの補助金についても同様で、やはり正常化するまでのことだろう。あくまで過渡期の施策だと思うし、そういう受け止め方をしなくてはならない」と指摘。石油価格などの変動について、「それをならすような補助金を恒常的に続けることはおかしい。補助金をやめれば(値段は)高くなるが、エネルギーの節約を呼び掛けるなどの工夫をしてほしい」と述べた。
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