クライアントとお客さまをつなぐ コンタクトセンターで女性の社会進出を応援
株式会社シーダ 代表取締役社長 矢野 ひとみ(やの・ひとみ)
一人一人の希望シフトを採用 女性も働きやすい職場に
起業のきっかけは、音響会社のコールセンターで事業部長として働く中、会社の都合で事業部の移転が決まったことです。移転でスタッフを一人も失うことなく、クライアントにも迷惑を掛けたくないと強く思いました。今後もスタッフを守り、よりクライアントの要望に応えていくため、独立を決意しました。今は多種多様な業界の企業の顔として、電話をはじめ、さまざまな顧客対応を行うコンタクトセンターを担っています。
雇用を確保する中で気付いたのは、企業が決めた時間帯では働きたくても働きづらく、多くの女性が就業を諦めているということです。そんな女性たちの社会参加とキャリア形成をサポートしたいと思い、一人一人の希望シフトを採用することにしました。定年制度を設けず、20~70代の女性が活躍しています。 「人こそ、かけがえのない財産」。個々の能力を最大限に発揮できる環境と誰もが活躍できる職場を目指して、時短勤務者でも管理職に昇進できる仕組みをつくりました。時間の制約をマイナスに捉えるのではなく、限られた時間だからこそできるパフォーマンスをしてほしい、と思うのです。個性を尊重し、やりがいを持って仕事に取り組んでもらうことでプラスに、そして会社の力に変えています。
スタッフの成長をサポート さらなる人材育成も目指す
弊社は、数字を追い求めるだけでなく、お客さまの課題や心情を理解した上で、丁寧・迅速・的確に対応し、クライアントとお客さまをつなぐバトンという役割を重視してきました。AIやデジタル化がいかに進もうとも、人にしかできないことがあります。スタッフ一人一人がプロとして、言葉の持つ意味を理解し、正しい言葉遣いや美しい日本語、声の表情を身に付けることで、特別な存在になると考えています。私自身の教員資格などを生かし、教育に力を注いできました。社外研修にも参加し、異業種の人の体験談を聞くことや交流を通して、スタッフの人としての成長も促しています。
また、スタッフが自分の健康を後回しにしないように、健康診断や婦人科健診の啓発活動を行っています。病気を予防するため、フェムテック商品を配布したり、管理栄養士の協力の下、栄養バランスを考えたお弁当を配ったりもしてきました。健康やメンタル、食事や子育て支援・介護支援など、さまざまな側面からスタッフをサポートする会社づくりを続けることが、私の使命と考えています。
今後は、コンタクトセンターの規模を増やすことを目指しています。また、講師として社外でも幅広く人材育成を進めていきたいと思います。自治体・地域コミュニティ・外部企業と連携し、子どものための学びの場を創設し、コミュニケーションスキルを子どもたちに紡いでいくことも目標です。コミュニケーションを軸に女性の社会進出をサポートする企業として、これからも進化し続けていきます。
会社データ
社名 : 株式会社シーダ
所在地 : 大阪府大阪市都島区高倉町2丁目1-4 MECビル7階
電話 : 06-6924-9675
創業 : 2021年
事業概要 : サービス業(コンタクトセンター運用業務、マーケティングの請負および代行業務、人材育成業務)
【大阪商工会議所】
※月刊石垣2024年1月号に掲載された記事です。
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