日本商工会議所の小林健会頭は4月4日、定例の記者会見で春季労使交渉について、「連合の第2次集計ではベースアップと定期昇給を合わせた賃上げ率は5・25%となっており、賃上げ傾向が継続していて大変結構だと思う」と評価。「労働組合が連合に加盟している大手中小の動きについて前向きに受け止めている」と述べた。一方、「中小企業は組合がない企業が大多数であり、また、日本全国を見渡せば組合に入っていないところが多いので、この動向が今後どうなっていくかが鍵」と指摘した。
小林会頭は春季労使交渉に関する連合の集計について、「連合の第2次集計ではベースアップと定期昇給を合わせた賃上げ率は5・25%となっており、賃上げ傾向が継続していて大変結構だと思う。300人未満の加重平均が4・72%、そのうちベア分が3・15%と第1次集計をわずかながら上回っているとのことであり、労働組合が連合に加盟している大手中小の動きについて前向きに受け止めている」と述べた。
一方、「中小企業は組合がない企業が大多数であり、また、日本全国を見渡せば組合に入っていないところが多いので、この動向が今後どうなっていくかが鍵」との考えを表明。「流れとしては、中堅企業のみならず特に小規模・零細企業の賃上げは、横ばいから上昇傾向にあると思う。ただし、賃上げの決定には少し時間がかかり、今月から来月にかけて流れが見えてくる」との見通しを示した。
また、「組合のない企業、特に規模の小さい事業者も含めて余力のある企業には、ぜひこの流れへの参加をお願いしたい」と述べ、「各企業で事情も異なり、特に中小はオーナー経営者も多く、決断も早い。周囲の傾向を見て、果敢な賃上げをしていただきたい」と期待を表明。「特に人材不足に正面から対応していかなければならないので、この流れには乗ってほしい。賃上げを考慮中の企業が約3割あるので、この動きが全体の流れを形成すると見ている」との考えを示した。
賃上げの実現のために必要な取引価格の適正化については、「大手企業は『買い』が多い。大手はよく下を向いて交渉に応じることが重要であり、これはパートナーシップ構築宣言で申し上げている」と指摘。「一方、多くの中堅・中小企業は『売り』『買い』の両方がある。『売り』の立場では勇気を持って価格交渉をしてほしい、『買い』はよく要望をくみ取って協議をしてもらいたい」と取引価格の適正化のさらなる推進について言及した。
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