倶知安商工会議所(北海道)と倶知安町、北海道科学大学は6月26日、俱知安町役場で、「地域包括連携に関する協定」の締結式を実施した。式には同所の白木茂会頭が出席し、「連携協定によって、将来大きな果実が実るように、倶知安商工会議所としても尽力する」と述べた。
3者は多様な連携・協力により、地域的課題の解決と持続可能な地域づくり、社会で活躍できる人材の育成に寄与する取り組みを促進していく。取り組みの内容としては、①地域と協働した課題解決型学習の実施②人材育成③教育・学術④地域経済の振興⑤その他協議により定める事項――の5点が定められている。具体的には今後、学生と協力した地域課題の解決、教員人材交流、講演会・勉強会・公開講座などを実施していく。
同協定の背景には、同所が2023年度から深刻化する人手不足を解消するため、「高校・大学時からの人材育成に産官学で取り組むこと」を重点事項に掲げてきたことが挙げられる。北海道科学大学は、基本理念に「地域社会への貢献」を掲げ、4月に地域共育センターを立ち上げて、専門職として地域の課題にかかわる人材育成に力を入れている。今回の協定によって、同校の学生が地域インターンシップや地域学習などで倶知安町を訪れる機会が増えることから、同町の良さを知っ てもらい、町内の企業に就職する流れをつくって、町内企業に専門性のある人材を確保してもらいたいという狙いがある。 同所は23年度に倶知安農業高校とも連携協定を締結している。今後は同所を仲介して高校と大学の連携も生まれ、高校生が北海道科学大学において専門的知識や技術を習得した上で、町内に戻って就職することも期待されている。
北海道科学大学が地域包括連携協定を締結した道内の自治体は倶知安町を含めて11市町村となるが、商工会議所との締結は同所が初めて。同所の柳沢利宏事務局長は「関係者の方々には心から感謝している。倶知安町を好きになった学生に町内に就職してもらい、人材確保につながることを望んでいる」と話した。
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