日本・東京商工会議所はこのほど、「人手不足の状況および多様な人材の活用等に関する調査」の集計結果を公表した。調査結果によると、人手が「不足している」と回答した企業の割合は63.0%だった。人手不足の状況は依然として厳しい状況が続いており、とりわけ運輸、建設業で深刻な状況。そうした中、外部シニア人材の受け入れについては、「受け入れている」と「適当な人材がいれば受け入れたい」を合計すると約6割が受け入 れに前向きな結果となった。
人手不足の状況について、人手が「不足している」と回答した企業は63.0%で、昨年同時期調査から5ポイント低下したものの、依然として厳しい人手不足の状況が続く。また、そのうち65.5%が、事業運営への影響が「非常に深刻」(4.2%)または「深刻」(61.3%)と回答した。業種別では、運輸(83.3%)、建設業(79.2%)で約8割に達し、とりわけ厳しい状況となっている。
従業員に占めるシニア人材(60歳以上)の割合が「3割以上」と回答した企業は25.2%と2割を超えた。
外部シニア人材の受け入れについては、25.5%がすでに「受け入れている」と回答。「適当な人材がいれば受け入れたい」(35.2%)と合わせて60.7%が受け入れに前向きという結果になった。
女性のキャリアアップ支援について、「必要性を感じている」と回答した割合が82.3%に達するも、そのうち46.3%が「十分取り組めていない」と回 答。従業員数別で見ると、301人以上は52.8%が具体的な取り組みに着手できているものの、300人以下の企業では、「十分取り組めていない」「取り組んでいない」などといった回答の割合が5割を超えた。
女性のキャリアアップ支援を行う上での課題については、「育成のための仕組みやノウハウが不足している」が48.4%で最も多く、「本人が現状以上の活躍を望まない」(45.7%)が続く。仕事と育児の両立支援制度の充実だけでなく、女性本人のキャリアアップ意欲向上につながる育成・指導の取り組みを課題とする企業が多いことがうかがえる。
外国人材の受け入れについては、24.6%がすでに「受け入れている」と回答。「今後受け入れる予定」(4・5%)、「検討中」(22.5%)と合わせ ると、51.6%が外国人材の受け入れに前向きという結果になった。
障害者法廷雇用率引き上げへの対応については、対象となる従業員40人以上の企業のうち、障害者法定雇用率(2024年4月以降2・5%)を達成した企業は44.9%。従業員規模が小さい企業ほど未対応の割合が高く、特に50人以下の企業では、「引き上げを知らず、対応していない」との回答が20.4%を占めた。
調査は、全国各地の商工会議所会員企業を対象に7月8日~31日で実施。回答企業数は2392社だった。
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