公益財団法人日本デザイン振興会(JDP)はこのほど、2024年度の「グッドデザイン賞」受賞結果を公表した。今回は、5773件の審査対象の中から全1579件が受賞。そのうち、日本商工会議会頭賞である「グッドフォーカス賞(地域社会デザイン)」には、地域の風景に溶け込んだ山形県東根市の建築施工会社社屋など3作品が選ばれた。
グッドフォーカス賞は、さまざまな分野で特に優れたデザインとして高く評価された100点「グッドデザイン・ベスト100」に選出された作品の中から高度な技術によって実現されたデザインや防災・復興に寄与するデザインなど四つの分野の優れた作品に贈られる特別賞。日商会頭賞は、地域社会の持続的発展や経済活性化に寄与するデザインが対象分野となっている。
今年度は山形県東根市の建築施工会社社屋「さくらんぼ畑のオフィス」(大西麻貴+百田有希/o+h、株式会社Otias)、池袋駅東口(東京都豊島区)の大通りを活用したマーケット「IKEBUKURO LIVING LOOP」(株式会社nest、株式会社サンシャインシティ、株式会社良品計画、株式会社GRIP SECOND、豊島区)、東日本大震災からの復興をけん引した旧水産加工場の仮設プレハブ建築をワイナリーとして改築し継承した宮城県南三陸町の「南三陸ワイナリー」(南三陸ワイナリー株式会社)の3件が選ばれた。
「さくらんぼ畑のオフィス」は周囲の山並みに呼応する特徴的な屋根や有機的なオフィス空間、地域とのつながりを意識しながら働ける環境などを評価。「IKEBUKURO LIVING LOOP」については、8年間の社会実験により人の往来が少なかった通りを使い方の可能性を引き出すパブリックスペースに育てたプロセスのデザイン、「南三陸ワイナリー」については地域の課題と向き合い資源を生かして新たな活動を築いていく実現力とビジョンが高く評価された。
なお、24年度グッドデザイン賞受賞対象の中で最も優れたデザインと認められた「グッドデザイン大賞(内閣総理大臣賞)」は、障害の有無にかかわらず誰もが遊べる遊具の開発を医療・遊具の分野を越えて実現した「RESILIENCE PLAYGROUNDプロジェクト」(株式会社ジャクエツ)が受賞した。
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