銀座に焼き肉のミノが最高の店があり、何人もの人を連れて行き、喜ばれました。しかしある時、いつもと全く違う食感のミノが出てきて気分を害し、「もうここには来ない」と決めました。しかし3カ月もすると気になって、今日はどうかな、と顔を出す始末。元通りだったので、やっぱり通うことにしました。
これとは逆に、素晴らしいサービスを受けたので、「良い店だから」と自慢半分で友人を連れて行ったところ、大きく期待が外れ、それをきっかけに足が遠のき、そのままになった店もあります。味の問題は時間が解決しますが、人の対応は心にわだかまりを残し、なかなか消えることはありません。
プロのサービスとはどのようなものなのかを、私に教えてくれた人がいます。「接客の神様」と呼ばれた株式会社HUGE (ヒュージ)の新川義弘さんは、以前私との対談でこうおっしゃいました。 「店が暇な時に来たお客さまに、手があるからといって、いつもはできない特別なサービスをしてはいけません。お客さまには、店が一番忙しい時にできる最高のサービス以上のものを提供してはいけないのです。なぜなら、次回それができなかった時、逆にがっかりさせてしまうからです」
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