日本商工会議所は11月5日、日本経済団体連合会らと共同で「日本メルコスールEPAの早期実現を求める共同提言」を取りまとめた。メルコスール(南米南部共同市場)とは、1995年に域内の関税撤廃などを目的に発足した関税同盟で、アルゼンチン、ボリビア、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイの5カ国と、ベネズエラ(加盟資格停止中)で構成されている。
提言では、メルコスール地域は約3億人の人口と3兆ドルに迫るGDPを有する一大経済圏であり、経済面では、日本がメルコスールに多くの工業製品を輸出するとともに、日系企業が1000以上の拠点を構え、メルコスールからは経済活動などに不可欠な鉱石資源や飼料・食料を輸入するなど、相互補完的な関係にあることを強調。こうした経済関係を一段と高いレベルに引き上げ、将来に向けて日本とメルコスールが共に経済社会の発展を続けていくためには、両者間に存在するビジネス上の諸課題を解決するとともに、人、モノ、カネ、サービス、データの自由な流通を促進することが不可欠と指摘している。
また、日本にとっては、鉱物資源、飼料・食料のより安定的な確保、メルコスール諸国にとっては、1次産品などの日本市場へのアクセスがより容易になるだけでなく、日本を起点にアジア市場への展開の可能性が開けるなど、双方にもたらす恩恵が極めて大きいことなどを強調し、EPAの早期実現に向けた各国首脳の強力なリーダーシップの発揮を求めている。
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