日本・東京商工会議所は12月19日、「雇用・労働政策に関する重点要望」「多様な人材の活躍に関する重点要望」を取りまとめ、公表した。また同日、日商の小山田隆労働専門委員長(東商労働委員長)と矢口敏和多様な人材活躍専門委員長(東商多様な人材活躍委員長)が鰐淵洋子厚生労働副大臣を訪問し、要望内容の実現を求めた。
「雇用・労働政策に関する重点要望」では、政府が取り組むべき雇用・労働政策について取りまとめており、重点要望項目として①最低賃金制度の適切な運用②自発的・持続的な賃上げへの支援③中小企業の人材確保への支援④「少数精鋭成長モデル」への自己変革支援――の4点を提示。多くの中小企業が賃上げに取り組んでいるものの、依然として「防衛的賃上げ」の割合が高く、すでに「賃上げ疲れ」との声も聞かれる中、中小企業の自発的・持続的賃上げに向けた強力な支援を求めている。また、労働力人口の減少が進む中、中小企業が限られた人員で成長を実現する「少数精鋭成長モデル」への自己変革(省力化・育成・多様性)に対する支援などを要望している。
「多様な人材の活躍に関する重点要望」では、①シニアの活躍推進②女性の活躍推進③仕事と家庭などの両立支援④外国人材の活躍推進⑤障害者の活躍推 進――の5点を重点項目として提示。中小企業の実態を踏まえた受け入れ環境の整備や人材マッチングなどの支援、「年収の壁」など多様な人材の活躍の妨げとなる制度の見直しなどを求めている。
鰐淵副大臣からは、生産性向上や人手不足対応への支援について、「省庁横断で政府を挙げて取り組み、中小企業の自発的・持続的な賃上げ環境を実現することが重要」「人手不足社会であるからこそ、元気なシニアがより活躍できる環境の整備など、多様な人材の活躍を一層推進することが必要」といった発言があり、日商の要望内容について理解を示した。