四国中央市は愛媛県の東端で、名前のとおり四国の中央部に位置し、四県全ての県境に接しています。人口は8万人で、市の主要産業は、工業出荷額(7300億円)の約81%(5900億円)を占める製紙・紙加工業で、自治体別では19年連続で「日本一の紙のまち」となっています。
当地の紙産業は江戸中期に、農家の冬の閑散期の副業としての手すきから始まり、今や「お札と切手以外の紙は何でもそろう」と例えられるような紙の産業クラスターを形成するに至っています。その中からはエリエールやユニ・チャームといったトップブランドも生まれました。
その活発な生産活動を続ける工場群が放つ明かりが美しく、平野部を一望できる具定(ぐじょう)展望台(標高350m)から見える市街地の夜景は、「日本夜景遺産」「日本夜景百選」「恋人の聖地」に選ばれ、名所となっています。
近年では、地元高校の書道部が始めた「書道パフォーマンス甲子園」が大変な人気を博しており、その聖地「伊予三島運動公園体育館」での本選出場枠(20校)を巡って、毎年100校を超える予選応募があります。さらに今年は8月21日に大阪・関西万博での特別大会も決定しています。国産機械すき書道用紙シェアの7割は当市産であるといわれており、「紙のまちから生まれた紙に関連する大会」ということで、地元の企業も全面的に支援しています。
さて、私が会長を務める福助工業は、明治末期に水引・金封などの紙製品を扱う会社として創業しました。その後、包装資材、一般食品資材の分野を手掛けるようになり、現在ではポリエチレン加工業界でトップシェアを頂いています。私が社員に接する際に心掛けていることは、「公平・公正」です。そして社是としているのが「高能率・高賃金」です。社員が努力して生産性を高めれば、それに比例した給与水準で応えるというわけです。
私の趣味はアウトドア・スポーツです。青空の下で体を動かすと、良い気分転換になり、新しいアイデアも浮かんできます。
地方は今、人口減少時代という厳しい局面を迎えていますが、当所も地域総合経済団体として、人手不足や社会インフラの整備など、地域の課題解決に向けて、できる限り尽力していきたいと考えています。