日本商工会議所の小林健会頭は2月21日、定例の記者会見で、米トランプ大統領が、自動車・鉄鋼製品・アルミニウムに対する新たな関税措置、いわゆる「トランプ関税」を3月12日に発動することを表明したことについて、「非常に大きな問題」と懸念を表明した。「日本は経済立国であり、貿易抜きでは成り立っていかない」と述べ、「交渉に当たる武藤容治経済産業大臣には、全力を尽くし、反対だと明確に示してほしい。日本の対米輸出が、アメリカ経済にとって欠くべからざるものであり、これによって日米両国が回っているということを諭してほしい」と述べた。
2月18日に3年ぶりに閣議決定された新たなエネルギー基本計画については、「3年間で世の中が変化し、世界全体のカーボンニュートラル(CN)も二分化している。2040年の電源構成として、再生可能エネルギーで4~5割、原子力で2割、火力で3~4割とした目標は妥当だと思う」と評価した一方、「原子力で2割という目標には、今ある原発はすべて稼働せねば足りない。原発の稼働年限の問題もあるため、さらに一歩進め、新型原子炉開発の早期決定、立地検討などもせねばならない」との考えを示した。
長期金利上昇における中小企業への影響などについては、「全体ではさほど大きな影響はなかったと思う。企業においては、必死に賃上げを進めている中で、金利も少し上昇したという実感であろう」との認識を示した。一方、「次はもう一度、周りを見直す必要があるだろう」と述べ、春闘の結果や政府による備蓄米放出の影響などを見る必要性を指摘。「中小企業がある程度納得できるような限度を見つけ、予見性が高まるような形での金融政策をお願いしたい」と求めた。