珠洲商工会議所(石川県)はこのほど、「復興デザイン入りレジ袋」を製作し、会員事業者に無料配布した。同レジ袋には「珠洲の未来を応援してくださりありがとうございます。」の文字と、珠洲市が強調された石川県の地図、名産品の揚げ浜塩をつくる人の姿が描かれており、地域の復興を応援してくれる人への感謝の気持ちを込めたデザインとなっている。 レジ袋は30号(縦37㌢㍍)と40号(縦48㌢㍍)の2サイズ展開で、5千枚ずつ用意した。
2月4~14日、同所の公式LINEで配布希望事業者を募り、2月17日から窓口で100枚単位での引き渡しを実施。主な配布対象は県外でのイベントに参加する事業者だが、市内でボランティア・復旧関連事業者向けに販売を行う事業者も配布先に含めた。 製作のきっかけは、能登半島地震後の2024年5月に、同所観光部会の会員向けアンケートで「震災復興グッズが必要」という意見が多く集まったことだ。しかし、この段階では具体的なグッズの内容は決まっていなかった。
その後の9~11月、同所宛てに、地域外のたくさんの団体から物産展への誘いがあり、実際に出展すると来場客から温かい励ましの声掛けがあった。出展した事業者からは「何とか感謝の気持ちを伝えたい」という声が上がっていた。出展に当たり、一般的な白いレジ袋を使用する事業者が多かったことから「デザインレジ袋を作成・配布したらよいのでは」という案が出され、忙しい会場では伝えきれない感謝の思いをレジ袋にプリントし「震災復興グッズ」としようという結論となった。
レジ袋のデザインは、「感謝を伝えるデザイン」というテーマでコンペを行い、複数の作品の中から選定された。レジ袋配布先の事業者は「デザインに石川らしさ、感謝の気持ちが表れており、とても良い取り組み」と喜んでいる。同所は今後も事業者の声を聞き、デザイン変更などを行いながら、同事業を継続して行っていきたいと考えている。
同所担当者は「能登半島地震から1年以上経過したが、復興への道のりはまだまだ遠い。復興には10年かかるだろうと試算されているが、市内事業者は復興に向けて頑張っている。また、頑張っている事業者へ全国から応援・支援があり、感謝してもしきれない。おかげで復興に向けて少しずつ進んでいる。私たち職員も事業者が市外の復興イベントに参加する際には手伝いとして参加していたが、お客さまからの応援の声をもらい、震災でふさぎ込んでいた気持ちがとても温かくなった」と話した。