独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)は3月25日、「2024年度外資系企業ビジネス実態調査」の結果を公表した。国内外資系企業の売上高の前年度比増減を見ると、前年度より増加した企業は48.7%で前年度比6.6ポイント減。国内事業の拡大意向も「強化・拡大する」と回答した企業の割合は21年度の調査開始以降初めて減少した。日本のビジネス環境の魅力については市場全体の規模や成長性、社会・経済の安定性が上位。一方で人材確保の課題感が高まっている。
同調査は、日本国内に拠点を置く外資系企業7301社を対象に、24年10月15日~11月17日に実施。1427社より回答を得た(有効回答率19.5%)。
外資系企業の直近決算年度の売上高前年度比増減を見ると、1%以上増加した企業は前年度比6.6ポイント減の48.7%。調査初回の21年度から継続的に伸びていたが初めて減少に転じた。業種別に見ると、サービス業では増収企業が50.4%と5割を超えた。
国内事業の拡大意向については「強化・拡大する」と回答した企業は54.2%(前年度比8.2ポイント減)。21年度調査以来初めて減少した。「現状維持」は42.1%、「縮小」2.7%、「撤退」0.9%でいずれも前年度から増加した。
日本のビジネス環境の魅力は、前年度比6.6?減少したが「市場全体の規模や成長性」(46.2%)が最多。次いで「社会・経済の安定性」(39.1%)、「インフラの充実」(36.6%)と続いた。ビジネス環境の変化は「行政手続きの簡素化・デジタル化」「企業統治(コーポレートガバナンス)の意識」などの項目で改善していると評価する割合が高い一方、「一般人材の確保」「高度人材の確保」は悪化しているとする割合が高い。一般人材と高度人材の確保については「日本でのビジネス活動に当たり、特に改善を期待する項目」でも上位2位を占めた。
国内企業・機関との協業・連携を実施または検討している企業は32.2%。業種・取り扱い製品別で見ると、医薬品・化粧品(47.9%)、学術研究・専門・技術サービス(47.1%)、情報通信業(42.4%)で4割を超えた。また協業・連携を実施・検討している企業は増収である割合が高いと分析されている。
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