日本政府観光局(JNTO)はこのほど、9月の訪日外国人旅行者が前年同月比5・2%増の227万3千人となったことを発表した。国・地域別では、英国で単月として過去最高を記録したほか、17カ国・地域(中国、台湾、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ベトナム、インド、豪州、米国、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、ロシア、スペイン)で9月として過去最高を記録した。
ラグビーW杯効果も
JNTOでは、「訪日外客数が多い韓国市場の減速は続いているものの、ラグビーワールドカップ日本大会の開催により、ラグビーワールドカップの出場国が含まれる欧米豪市場の訪日外客数が前年同月に比べ7万7千人増えたこと、中国市場および東南アジア市場において引き続き訪日外客数が堅調に伸びていることが、訪日外客数の増加に寄与した。また、2018年9月は台風第21号や北海道胆振東部地震の影響を受けた月であったことも、前年同月を上回る一因となった」と分析している。
観光庁の田端浩長官は記者会見で、韓国人訪日旅行者数が前年同月比58・1%減と大幅に減少したことについて、「訪日旅行控えや日韓の航空路線の運休・減便などの影響があったと考えている。訪日韓国人旅行者数が前年同月比でマイナス50%以上を記録したのは、東日本大震災の影響のあった11年5月以来、8年4カ月ぶりで、11年5月はマイナス58・3%であった。JNTOでは、ホームページやSNSでの情報発信、韓国の旅行会社などとの連携を継続しているが、今後、現地の状況に応じて、プロモーションを強化してまいりたい」とコメントした。
また、ラグビーワールドカップ日本大会開催の効果については、「12都市で試合会場になっており、訪日客数の増加だけでなく、地方での長期滞在も見込まれ、政府の観光戦略においては意義深いものと考えている。ラグビーは非常にハードなスポーツで、試合は1週間に1回ということで、試合と試合の間が空き、観戦される方も長く滞在される。私どもの観光戦略として滞在を長くということが非常に重要な目標であることから、ここにとっても非常に意義深いものと考えている」と述べた。
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