さいたま商工会議所(埼玉県)はこのほど、人間総合科学大学と連携して地産地消メニューを共同開発した。同事業は、物価や人件費の高騰により困難に直面している会員事業者の活性化、学生の学びの場の提供による未来の人材育成、市民の健康増進、生活習慣の改善と定着を目的に実施。市内の2店舗で、数量限定で提供した。
開発したメニューは「鶏の和風クリーム煮と地産野菜を楽しむプレート」と「鶏肉と西洋野菜の味噌マヨPIZZA」の2種類。「さいたま市産の野菜活用」「地産地消の促進」をテーマに、同県産のさまざまな野菜をアピールするものとして、同所会員事業所2店舗と同大学ヘルスフードサイエンス学科の学生が共同で開発した。事業所の職人の技術と同大学で栄養学を学んでいる学生の斬新なアイデアが盛り込まれている。
「鶏の和風クリーム煮と地産野菜を楽しむプレート」は、長ネギ、ほうれん草、サトイモなど同県でつくられた7種類の野菜をふんだんに使ったメニュー。「鶏肉と西洋野菜の味噌マヨPIZZA」はさいたま市産のヨーロッパ野菜、ゆずなど4種類の野菜を使用し、学生考案のみそマヨソースと合わせた独創的なピザになっている。
同所担当者は「当事業は、開発だけでなくメニューの周知活動にも力を入れており、ラジオCMの活用や学生による店のPOP、チラシを使っている。今回の取り組みは日々の業務で新たなメニュー開発や周知活動に踏み出せない事業所に対して、良いきっかけづくりになった。また、学生からのヒアリングは自社の客層や人気メニューなどを改めて見つめ直す機会にもなっていた。当事業を通して、地域の農産物の認知度を高め、地産地消を通じて地域の飲食店の活性化につながることを願っている」と述べた。