日本商工会議所の小林健会頭は3月24日、定例の記者会見で、トランプ米大統領政策による自動車への追加関税について、「日本の自動車メーカー全体で言えば、米国で生産している部分が相当あるため、米国内での完成車の販売に関しては全てに25%追加関税ということはないと思う」と述べた一方、「問題はサプライチェーン内の中小企業であり、大きな影響は出てくるだろう」と懸念を表明した。
また、「これほど関税をかけて輸入して、米国経済は大丈夫なのか。米国経済全体が冷えてくると、そこで(経済が)風邪をひく国が多くあるため、米国経済の疲弊が心配だ」と述べるとともに、「米国の国力低下は、日本にとっては極めて好ましくない。端的に言えば、米国には日本の製品もたくさん買ってもらって消費してほしいということだ」と強調し、「経済政策は総合的な観点で考えてもらいたい」と求めた。
春季労使交渉については、「昨年並み、あるいは少し上向いた数字になるのではないか」との見方を表明。連合が公表した2回目の回答集計結果において、中小組合の賃上げ率(ベースアップ分のみ)が、昨年同時期から上昇していることに触れ、「厳しい経営状況の中でよく頑張った」と評価するとともに、商工会議所として、全国の会員企業に引き続き賃上げを働き掛けていく方針を示した。
一方、「食品原料、食品などが相当値上がりしている。小規模の商店・飲食店は、電気・ガス・光熱費などの費用が上昇し、仕入れ費用がかさむ中、過当競争にさらされながら、消費者に向けて売っていかざるを得ない」と実態に懸念を示し、日銀が目標とする2%の物価上昇との乖離(かいり)を指摘。政府に効果を伴う物価対策を強く求めた。