日本商工会議所は3月10日、日本経済団体連合会と共同で「サイバー対処能力強化法案及び同整備法案に対する意見」を取りまとめ、公表した。
意見書では、「Society 5・0 for SDGs」の実現に向けた価値創造のための安全・安心なサイバー空間構築などの観点から、「実効性の高いサイバーセキュリティ対策は、全ての事業者にとって経営のトッププライオリティーである」と主張するとともに、「官民連携の緊密化によって、わが国全体のレジリエンスを強化することは喫緊の課題である」との認識を表明。その上で、経済界として、2月7日に閣議決定された「サイバー対処能力強化法案及び同整備法案」(以下、『法案』という)の今次通常国会での成立を目指す方針を支持する考えを示した。
サプライチェーン全体を俯瞰(ふかん)したレジリエンス強化の観点からは、サイバー人材の育成・確保や中小企業のサイバーセキュリティ強化、インシデント報告の一元化・簡素化など、法案に明記されない諸課題についても、政府内で横串を刺した実効性の高い取り組みが不可欠との認識を表明。政府には、法案成立後の下位法令などの策定に向けたコミュニケーションの緊密化に期待を表明するとともに、サイバー安全保障に関する背景や、経済安全保障推進法・国家安全保障戦略との関連性などについて、中小企業を含む全ての事業者への丁寧かつ分かりやすい説明を要望した。