日本政府観光局(JNTO)はこのほど、10月の訪日外国人旅行者が前年同月比5・5%減の249万7千人となったことを発表した。訪日外国人旅行者の多い韓国が、前年同月比65・5%減と大幅に減少したことが影響した。前年同月を下回ったのは、韓国からの旅行者数が半減した2019年8月以来2カ月ぶり。
一方、JNTOは押し上げ要因として、ラグビーワールドカップ2019日本大会の開催により、ラグビーワールドカップの出場国からの訪日外客数が前年同月に比べ8万1千人増えたことや、東南アジア市場は、全市場で前年同月比が2桁の伸びを記録するなど引き続き堅調に推移していることを挙げた。国・地域別では、英国、ロシアで単月として過去最高を記録したほか、14カ国・地域(中国、香港、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ベトナム、インド、豪州、米国、カナダ、フランス、ドイツ)で10月として過去最高を記録した。
観光庁の田端浩長官は記者会見で、訪日韓国人旅行者数の減少について、「訪日旅行控えや日韓航空路線の運休・減便などにより、対前年同月比マイナス65・5%となった。今後については、2019年冬ダイヤにおいて日韓航空路線が昨年に比べ減便となったほか、韓国からのアウトバウンド全体の伸び率が昨年7月以降鈍化傾向にあること、また、ベトナムなどとの厳しい競争、ウォン安・円高など、さまざまなマイナス要因があり、状況を注視している」とコメントした。
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