倉敷商工会議所(岡山県)は4月25日、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)岡山支部岡山職業能力開発促進センター(ポリテクセンター岡山)と「産業人材育成等に関する連携協定」を締結した。同協定は、中小企業などの産業人材の育成、求職者雇用の支援を通じて、ものづくり産業をはじめとする企業の持続的な成長と地域経済の発展に貢献することが目的。商工会議所とポリテクセンターの協定締結は全国初の取り組みとなった。
ポリテクセンター岡山は求職者、在職者向けの職業訓練、事業主などが行う職業能力開発に対する相談、援助などを行い、地域のものづくり現場で活躍する人材の育成、生産性の向上に取り組んでいる公共職業能力開発施設。雇用のセーフティーネットとして、求職者に向けた再就職支援、在職者向けに技術革新や産業構造の変化などに対応するための知識、技能を習得するための職業訓練などの人材育成支援を行っている。
協定では、同所から会員事業所の人材育成ニーズ、同センターからは求職者動向などの情報を相互に共有するとともに、同センターが育成・訓練した求職者や実施する職業訓練に関する情報を同所の会員事業所に提供し、双方の希望に沿った雇用促進を図ることが盛り込まれている。同所は5月から月に1回、同センターの公開求職者情報を会員事業所に案内している。2025年3月には公益財団法人産業雇用安定センター(ジョブ産雇)とも同様の連携協定を締結しており、ジョブ産雇が作成する求職者情報を会員に提供している。また、会員事業所のメールアドレスを約9割取得しており、このネットワークを生かし、メーリングリストで各種情報を提供している。
締結式で同所の井上峰一会頭は「当所は、24年度から中小企業や小規模事業者の人材不足の課題に本格的に取り組んでいる。主にものづくり関連の職業訓練をしているポリテクセンターは、水島コンビナートを有し、製造業や建設業の集積する倉敷地区とは親和性が高く、人材マッチングの促進に期待が持てる。業務の高度化やIT化が進む中、人材のスキルアップは喫緊の課題であり、連携により支援の幅を広げていきたいと考えている。本協定締結を機に、相互の情報共有を密にし、会員事業所の人材確保と雇用の促進を図り、人材不足緩和の一助となることを目指す。そして、全国初となる本協定が、今後全国へ波及する契機となればうれしい」と期待を述べた。