大曲商工会議所(秋田県)は4月24日、大仙市内にホテル「お宿Onn 大曲の花火」を開業した。運営は全国で旅館経営などを行う「女将塾」が行う。同ホテルは、同所や大仙市などが新たな産業振興方策として共同で推進する「大仙市花火産業構想」の根幹を担う花火競技大会の本部体制の集約による機能強化と花火師の宿泊場所の確保を目的としている。本部体制の集約により、大曲の花火が掲げる「安全性」をこれまで以上に高めるとともに、交通の要衝である同市の強みを生かしたプラットフォームとしてビジネス・観光・交流活動の拠点となることが期待されている。
ホテルは、地上6階建ての宿泊棟と3階建ての大会管理棟で構成されている。宿泊棟は、全50室で、最大156人が宿泊可能。毎年8月の花火大会前後には花火師など関係者専用の施設となるが、それ以外の期間は一般客も宿泊できる。大会管理棟は大会時に大会本部や審査本部などが置かれる。
同市は「毎月花火が打ち上がるまち」として、地域活性化を推進しており、4月の「大曲の花火 春の章」、100年を超える伝統と格式のある8月の「全国花火競技大会」、地元若手花火師と地元花火業者がそれぞれ斬新な企画演出を行う10月の「大曲の花火 秋の章」といった特徴ある花火大会を開催している。また、2028年には全国花火競技大会が第100回大会を迎えることから、大曲の花火の国際化の取組みとして「国際花火シンポジウム」の誘致を進めている。
同所担当者は「ホテルの客層はほとんどが観光目的。隣接市町を観光し、泊まることが旅の目的になるという形が現実味を帯びてきたと感じている。また、ホテルの竣工(しゅんこう)により、周辺の開発投資の動きも見られる。今後は、ホテルを活用したさまざまな事業展開を進め、さらなる投資がなされ地域の活性化を図れればうれしい」と期待を述べた。