東広島市の西条駅前にある西条酒蔵通りは七つの蔵元が並び、「酒都西条」と呼ばれる一大銘醸地です。
私が会長を務めるサタケも酒蔵通りの近くにあります。1896(明治29)年に創業者の佐竹利市が日本初の動力式精米機を開発して以来一貫して、世界三大穀物であるコメ、麦、トウモロコシ向けを中心に、食品産業総合機械およびプラントの製造販売を事業としており、来年で創業130年を迎えます。今では世界14カ国28カ所に生産販売拠点を設け、各国に製品・サービスを提供しており、世界の食文化の向上に努めています。
創業の原点である日本初の動力式精米機は、現在の賀茂鶴酒造に納品されました。当時多大な労力と時間を要した精米作業は、機械化によって大幅に改善。日本酒の雑味のもととなるタンパク質も効率的に除去され、吟醸酒が誕生する基盤となりました。
近年では、「真吟(しんぎん)」と名付けられた新しい技術を確立しました。これは、従来の精米技術とは異なり、米の形状に沿って不要なタンパク質を除去し、デンプンの削りすぎを防ぐ技術で、純米クラスの日本酒でも吟醸酒並みの味わいが楽しめるとの評価を得ています。現在、全国の蔵元に採用いただいており、真吟を冠した日本酒をお見かけの折は、ぜひご賞味ください。
灘、伏見と並ぶ三大銘醸地に発展した西条は、江戸時代の宿場町から近代の醸造町へと変遷したまち並みと酒蔵群が良好に残り、酒蔵としては全国で初めて国の史跡に指定されました。毎年10月には「酒まつり」が開催され、全国の地酒が試飲できる「酒ひろば」のほか、蔵元では限定酒の販売やコンサートなど、さまざまなイベントがまち全体で行われます。毎年20万人以上の来場がある県内有数のお祭りです。また、当所と姉妹提携しているハワイ島日系人商工会議所のメンバーが毎年参加するなど、最近では、日本酒を味わうために足を運ぶ外国人の方が増えているように感じています。
こうした追い風の中、昨年12月、ユネスコ無形文化遺産に「伝統的酒造り」が登録されました。酒都西条の魅力に磨きをかけ、さらなる観光客の増加と西条酒の拡大につなげていくため、大きな弾みとなっています。
趣味のゴルフが高じて広島カンツリー倶楽部の監事も務めておりますが、ゆったりとした環境の中で、新たな策を発想し、当所ならびに地域のますますの発展になお一層尽力してまいる所存です。
