今、2050年の世界を想定するのはかなり遠い先の難しいことに感じられるが、2000年に今年を想像するのと同じことだ。過去25年間にiPS細胞や量子コンピューターなど新技術が登場し、中国の台頭、グローバルサウスの出現など国際情勢も激変したが、その萌芽は00年にすでに存在した。それを重視しなかったことが驚きを生んでいるだけだ。とすれば、「2050年の世界」の兆候もすでに身の回りにあるはずだ。
グローバル情勢では、インドが今日の中国と同レベルまで台頭することは想定しておくべきだ。00年時点で中国のここまでの成長を予想できていなかったのと同じく、今、想像できない進化を2050年までにインドが達成することは高い確率で起きるだろう。
